大会1日目

  • U-20オランダ代表 2-1 U-20日本代表

4-4-2
GK:21 西川周作
DF:2 水本裕貴、5 増嶋竜也、16 柳楽智和、8 中村北斗
MF:4 小林祐三、10 兵藤慎剛(cap)、14 本田圭佑→12 水野晃樹(後半19分)、17 家長昭博→20 森本貴幸(後半33分)
FW:9 平山相太、13 苔口卓也→11、カレン・ロバート(前半42分)

4-3-3
GK:1 フェルメール
DF:2 ティーンデーリ、3 フラール、4 ファン・デル・ストライク、5 ドゥロスト
MF:6 マドゥロ(cap)、8 クライス→17 アグスティエン(後半22分)、10 アフェライ
FW:7 クインシー、11 バベル→9 ジョン(後半29分)、18 フィンケ

  • 前半終了

登録上はおかしなことになってたけど、日本は兵藤が中に絞って北斗が上がり目の変則4-4-2。

    平山  苔口


 家長     兵藤

    本田  小林
              北斗
水本  増嶋  柳楽 

       西川

 
このユースを継続して見てきた人なら、誰もがピッチ上に並べられた先発メンバーには目を疑ったでしょう。世界大会の本番でテンパって、今まで継続してきたものを捨てて奇策に打って出る日本人監督。いつかのデジャブですか?

なんでいきなり苔口がFWで先発起用なんでしょうか。苔口は本来FWだけれど、このチームではずっと左SHを任されていたはず(スペースの多いサイドで快速を活かすために)。しかも怪我による長期離脱の影響で試合勘不足が懸念されており、左SHでも控えとされていた。

それがワールドユース本番でいきなり(このチームでは慣れていない)先発FWですよ。このチームの生命線だったカレンの前線での守備を放棄して何をするつもりだったのか。快速の苔口を活かしたカウンター? だったらあらかじめ直前の強化マッチでテストしておけばいいのに。また本番でテストとは。
案の定機能せず、なんと前半の内にカレンと交代。ありえねーよ。貴重な交代枠を一つ無駄使いしただけ。

先発CBの柳楽は、控えの高柳の病気による追加招集。このことからも先発要員として計算されていないはずなのに、本番ではいきなりCBで先発。このチームで4バック時には、中村、小林、増島、水本で守ってきてたのに。なぜ本番でそれを崩すのかが分からない。小林もいつもと違うボランチ(柏ではボランチだけど)。試合序盤は明らかに混乱してたでしょ。

なんで大舞台でこういう不可解な事をやるのか理解できない。育成年代なんだし、普通にこれまで培ってきたものをぶつければいいのに。それでやられるならまだ納得は行く。

てか、それ以前に選手の個人能力に大人と子供ほどの差があるな。オランダは身体能力が半端ない。二十歳以下とは思えん。フィジカルとスピードが凄すぎの上、懐が深くて足下もしっかりしているから、1対1ではまるで歯が立たない。それどころか2対1でも吹き飛ばされていた。北斗はこのチームでは1対1に強い方だけど、クインシーは止められず。日本フル代表でも止められないじゃないかな。一対一で勝てないからしり込みして、パスも自由に繋がれて圧倒されてしまった。

  • 1失点目(前7分)

左サイドで北斗がクインシーを見てズルズル下がってしまい、クインシーが余裕を持ってペナルティーエリア内にスルーパスを送ると、斜めに走り込んできたバベルがヒールで中央にダイレクトでバックパス。そこにフリーで飛び込んできたアフェライが狙い澄ましたシュートをゴール右に決めた。
北斗はクインシーの縦への突破力を気にするあまり、離れ気味に縦を切るのに専念してしまった。やはりまずは人に当たらねばならない。下がりながら見ているだけでは世界に通用しない。これは日本国全体の守備面での課題ですな。その後のダイレクトプレーは相手を褒めるべきか。2列目からの飛込みにもマークについていって欲しかったけど。

  • 2失点目(前18分)

オランダゴール前から、パスを受けたクインシーが中村と小林を反転で交わして、前を向いて単独でドリブル突破開始。途中ライン付近で本田と小林の2人に挟まれるも、スピードとパワーで引きずり倒しながらゴール前に突進。エリア前で柳楽をブッチぎって左サイドから折り返し。最後はバベルがマークをものともせずゴールに流し込んだ。
クインシーの突破はありえない。挟んだのに止められない日本の選手が悪いんだろうけど、ちょっと信じられないプレー。チームトップクラスの本田のフィジカルコンタクトが全く通用しなかった。経験ある選手ならイエロー覚悟で足をかけてでも止めたのかな。完敗。


まあしゃーない。せめて選手達には今まで継続してきたものでやらせてあげたかったけど・・・。前半はこのチームの肝だった前線からのプレス守備があまり機能しなくて、高い位置でのボール奪取から速攻という形がほとんどない。後ろの方でマイボールにしても、前が効果的にボールを引き出せなくて苦し紛れのロングボール一辺倒になっている。後半は何とか立て直さんと。このチームは切り札が投入される後半に強いので、何とかドローに持ち込んで欲しいです。

  • 後半

平山ゴールきたー。スーパーサブの水野のFKから平山のヘッド。終盤は唯一通用していた平山の頭めがけてのパワープレーでチャンスを作り出す。ロスタイム、カレンがエリア内フリーでこぼれ球を落ち着いてトラップ、GKと一対一になるも上へふかす。シュート下手なカレンらしい。その後の森本のシュートも惜しかった。最初から後半の形でやっていれば。

  • 試合終了。2-1で敗北。

前半で1対1では歯が立たないのが分かったのか、後半は早めに囲んで数的優位を生かして守っていた。それでもありえない個人技でやられていたけど、前半に比べたら雲泥の差。前半はかつてないレベルの相手に戸惑っていたけど、後半にきちんと修正してきた選手の適応力は評価したい。

このチームは後半になるといつも良くなる。オランダが疲れたのと、2点リードでペースを落としたのもあるけど、後半の日本は見違えるようだった。まるで壮行試合のチリ戦のように。

前半の奇策は何だったのか。監督には次こそ普通にやってもらいたいです。先発は今まで通りカレンを前線で走らせておいた方が良い。前半のようにプレスもろくに掛からず、ボールも引き出せないのではどうしょうもない。後半に流れを変えるのに長けたアタッカー投入で。前半に交代枠を一つ無駄にして、勝負どころで前俊を使えなかったのは勿体無かった。

まあ日本も良くやったし、オランダの凄さも体感できたおもしろい試合ではあった。前半は大熊監督への失望でそれどころじゃなかったけど。負けは別に良いんですけど、なぜ本番で変にいじって選手達を混乱させるかなあ。マジで勿体無いし悔しい。

選手達には本当に良い経験になったでしょうね。優勝候補オランダと当たれたのは良かったかもしれない。アジアでは経験できない一対一の圧力。普通の相手と何試合やるより、たとえ一試合でもこういう一級線相手の方が得るものは大きい。個人技ならフル代表のアジア予選よりレベル高いよ。

ベナンvsオーストラリアを見たけど、両国ともオランダよりは明らかに弱い。2連勝すればグループリーグ突破できるわけで(オランダはまず負けないだろうし)、気を取り直して頑張って欲しいです。後半のサッカーをやれば勝てる(前も書いたけど)。