№4 インテル

万年改革路線のインテル。今シーズンも例年通り成功ではないといえ、このクラブには一貫性を持った継続性こそが必要でしょう。ということでマンチーニ路線の継続を念頭に考察を進める。

マンチーニはテクニカルな選手を重用する。衰えが目立つミハイロビッチがわりと重用されるのも、最終ラインからの組み立てに貢献できるから。鳴り物入りで加入したダービッツは、展開力に欠けるため中盤で重用されず。基本的にCHに守備専業のキャラクターはあまり好まない。

セリエA31節終了時点で56得点35失点。攻撃は機能している。得点数には何の問題もない。FW陣は世界屈指の破壊力。問題は守備。守備がザルすぎて勝ちきれないパターンが多すぎ。守備さえ改善されればチーム力向上は間違いない。高額なFWはもう必要ない。目標は悲願のリーグ優勝。CLまでは無理しない。客いないし。

GK

  • トルドの後継者

マンチョはGKに不満があるよう。ただそれは贅沢でしょう。アーセナルマンUが聞いたらびっくりする。トルドは全盛期からすると衰えたとはいえ、依然トップクラスのGKに違いはない。ジュリオ・セザールが来るらしいが、GKに金をかけるならDF陣に手を加える方が先。控えにはカリーニもいるわけだし。

    • DF

スピード抜群で一対一最強のコルドバはレギュラー安泰。その彼に相応しいパートナーがいないので、ライン統率のに長けたDFリーダータイプが欲しい。ここが最優先補強ポイント。

ミハイロビッチは組み立てに貢献でき、FKによる得点も見込めるが、スピードの衰えが激しくて守備面に不安を残す。マテラッツィは高さがあって得点力もあるが、安定感に激しく欠ける。ガマーラブルディッソもフィットしていない。彼らに代わる決定的な人材が必要。

獲得可能な範囲で最適なのはローマのキブ。昨シーズンのローマの最小失点に貢献した優秀な若手DF*1。高額かつ大人気銘柄だが、多少無理してでも獲得に全力を注ぎたい。プレスキックもうまく、組み立て能力もあるマンチーニ好みのDF。総合的にもミハ以上の働きをしてくれるはず。懸念とされている左SBを兼任できるのも魅力。

他にはマテラッツィ以上のポテンシャルがある長身CB。マンチーニお気に入りのPSVのアレックス、昨シーズンから獲得の噂があるベンフィッカのルイゾンが現実的か。彼らブラジル人の内一人は獲得しておきたい*2

MF

攻撃的なサイドアタック志向のマンチーニのために、強力な本職サイドアタッターガ必要。マンチーニは大型FWの共存を可能と考えているので、アドリアーノとビエリの併用には積極的。ボボリアーノの高さを生かすためにも、サイドから良質なクロス供給が効果的。

既存のキリ・ゴンザレスファン・デル・メイデは、前監督のクーペルの求めた戦力であって、マンチーニを満足させるものではない。今シーズンはサイドアタッカー不足のため、CHが本職のスタンコビッチやベーロンを4-4-2のサイドで使う羽目になっていた。

セリエAで優秀なサイドアタッカーというと、左はラッツィオのセザール、ウディネーゼヤンクロフスキ、右はシエナのタッディ、カリアリエスポージト、ローマのマンシーニなど。どれも優秀な人材だが、既存戦力と決定的な差があるとは思えない。この中では、昨シーズンから欲しがっていたラッツィオ時代の盟友セーザルが一歩リードか。クロスでサイドから崩すタイプとは違うが、得点力のあるエスポージも魅力。

マーケットに出る可能性のあるモラッティ好みのビッグネームはフィーゴとピレス。 現在マドリーで控え扱いのフィーゴは放出がほぼ確実。ピレスもベンゲルと契約年数で揉めている。高年齢のため移籍金もそこまで高くない。よりマンチーニ好みなのはフィーゴ。敗者のメンタリティがはこびるチームに、彼らの経験を必要とするのも一つの手だとは思うが・・・

ホアキンレジェスもマーケットに出るだろうが、イタリアには来る気がないと思う。他にもスペイン人には優秀なサイドアタッカーが多いけど、セリエAとの相性は最悪なので狙わない方が吉。セリエA経験は意外と重要。

  • 4-3-1-2ならトップ下とCH

エムレインテルに嫌気がさしていて移籍が濃厚。4-3-1-2を第一システムにするなら、層の薄くなるトップ下に超一流選手が欲しい。ただし有力選手はどこもビッグクラブが保持。それ以外でエムレ以上の人材となると、 バレンシアから放出が噂されるのアイマールくらいか。非常に高額だが、エムレカラグニス+金銭あたりでなんとかなるはず。レコバはそろそろ解放してやってください。

4-3-1-2でいくならCHも多く必要。その場合はサイドアタッカーを放出して資金繰り。ベーロンはチェルシー保有選手なので、先行きは不透明。もし残留しないなら、代わりには展開力のあるウディネーゼピサロが最適。マンチーニもお気に入り。スタンコビッチの控えはラッツィオ時代も穴を埋めたフィオーレ。中盤の底は成長著しいカンビアッソと、守備力抜群のザネッティの既存戦力で十分。

現状でCMFは豊富なので、4-4-2でいくなら上記の戦力は必要なし。中盤はサイドアタッカーを優先させるべき。ヴィエラを狙ってるらしいが、移籍金・給料とも破格なので現実的ではない。

FW

アタッカーはアドリアーノ、ビエリ、マルティンス、クルス、レコバで十分。ここに大金を掛けるのなら、他のポジションの方が優先すべき。

来シーズンに向けて

クラブに不満があるエムレは移籍濃厚。売ればけっこうな額になるでしょう。戦力外なのに高給取りのダービッツも放出。カラグニス、ココ、ガマーラも支出削減のため放出。上記のCBが獲れるならマテも放出。余剰戦力は必要ない。レコバもそろそろ自分が王様になれるクラブに行った方が良いと思う。

獲得は最優先で左SB兼CBのキブ、そしてCBのルイゾンorアレックス、左SHのセーザル、右サイドアタッカー。可能なら右SHは百戦錬磨のフィーゴが理想。中途半端な選手ならメイデやゼ・マリアなどで十分。層の厚いFWとCHは無駄に金をかける必要はなし。

05-06シーズン理想布陣


      アドリアーノ   マルティンス(ビエリ)



セーザル(デキ)                 フィーゴ(ゼ・マリア)


     ベロン(デキ)  カンビアッソザネッティ



ファバッリ(キブ)                   サネッティ
        コルドバ   キブアレorルイ



            トルド(カリーニ)

マンチーニからの志向からすると、これが理想的な布陣か。FWの爆発力は凄まじいし、展開力のある中盤と優秀なアタッカーを揃えたサイド攻撃も強烈。 守備力は間違いなく今シーズンより上。後顧の憂いをなくせば、強力な攻撃陣はもっと輝けるはず。

       アドリアーノ   マルティンス(ビエリ)



             アイマール


   デキ(フィオーレ)          ベロン(orピサロ


          カンビアッソザネッティ



ファバッリ(キブ)                         サネッティ
          コルドバ     キブ(アレorルイ)



            トルド(カリーニ)

4-3-1-2路線。3センターは攻守にバランスが良く、展開力と得点力を兼ね備える。前線のアイマールアドリアーノが噛み合ったら脅威。ただし、マンチーニが4-3-1-2を採用したのは、チームに本職サイドアタッカー不足と、豊富なCH陣を活かすためだと思われるので、この路線にあまり現実味はないかもしれない。

以上。

まあインテルの事だから、こんなバランスよく補強することはないと思う。
昨年の夏のマーケットで、一流CBの層が薄いのにカンナバーロを、GKにはトルドがいるのにも関わらずカリーニとトレード。しかも同一リーグのライバルであるユーベに。当然マンチーニの意向は無視。カンナバーロは見事復活してユーベは大助かり。
過去にもセードルフピルロをライバルACミランに安値で放出。確かセードルフはココとのトレードだったような。ご存知の通り、今や2人ともミランの中心選手。逆にココは全然駄目だった。ありえない補強方針、でもそれがインテルクオリティー
例年通りなら、キブを獲得できるお金で大物アタッカーを補強しそう。早速ディ・バイオ狙ってるらしい。逆に弱点のDFにキブを獲得して、既存主戦力が残留する継続路線を取れば、それだけでチーム力はアップすると思うが・・・。
何より大事なのは、金をかけて補強することよりも有望な既存戦力を放出しない事。特にアドリアーノは絶対残留させるべき。補強方針はフロント主導ではなくマンチーニに任せる。このクラブのフロントがまともだったら、今ごろは世界最高のタレント王国のはず。クラブの一貫性のない方針に対して積もり積もったインテリスタの不満が、あのCLでの惨事を引き起こしたのでは・・・




次はリクエストに応えてアーセナル。残りのビッグクラブ考察候補はバルサ、マドリーなど。書くとしたらCL(敗退)後になるけど、ミランチェルシーリバプールも。リクエストは資金力のあるクラブのみでお願いします。クラブに補強資金がないと書きようがないから。

*1:彼の怪我による長期離脱がローマ守備の崩壊の一因

*2:アドリアーノはブラジル人が少なくて寂しがっているらしい