№3 バイヤーン

バイエルンは海外クラブから派手な補強をあまりしない。ブンデスリーグ自体が堅実経営を求められているので、3大リーグのビッグクラブのような大型補強は難しい。ブンデスリーガで活躍した選手、そしてドイツ代表を優先して集めてくるはず。補強方針が明確なので、補強ポジション別戦力は考察しやすい。補強は基本的にブンデス内から。
リーグ戦がまだ終わっていないので断定は出来ないが、マガト政権一年目には合格点を与えても良いと思う。チーム力は確実に向上している。来シーズンは継続路線をとるべき。そうなると必然的に優先される戦力は、マガトの戦術を熟知しているシュツットガルト勢か。

    • DF

長年に渡って不動の左SBとして君臨したリザラズ。本来なら今シーズンにリザラズを放出して世代交代するはずだったのだが、若手のラウは期待を裏切り、トルシエ(アホ)と喧嘩して帰ってきたリザラズが元の鞘に収まった格好。ここに真の後継者が必要でしょう。
こういう名選手の代わりを探すのは容易ではないんだけど、運の良い事に最適な人材を無償で獲得できる。ずばりシュツットガルトにレンタル中のラーム。若干二十歳ながらドイツ代表のレギュラー。攻撃的センスはリザラズ以上。マガトの教えも受けているので適応するのも問題ないでしょう。世代交代はすんなりいくと思う。
逆に右SBはゲルリッツ、サニョルサリハミジッチと豊富。絶対的な人材はいないけど、優先すべきは他のポジションか。ここは若いゲルリッツの成長に期待するのも一つの手。理想はシュツットガルトヒンケル、CBも兼任できるベルリンのフリートリヒ。

  • 世界屈指のCB

チェルシーに敗れ去った一因として、ドログバに高さで圧倒されてしまったことが上げられる。コバチは全く競り勝てなかった。ドイツのチームが空中戦で勝てないのは致命的でしょう。欲を言えばルッシオのパートナーとして、もう1ランク上のDFリーダーになれる選手が欲しいところ。
ただそんな選手はマーケットに存在しない。ネスタ、スタム、リオ、テリー、プジョル・・・、保有クラブは手放さないだろうし、獲るとしたら破格の値段。堅実経営のバイエルンでは不可能に近いので、ある程度のレベルで手を打つしかない。
ブンデスリーガ屈指のCBであるコバチで歯が立たないなら、他のブンデスのCBも厳しい。コバチもリーグでの安定感は抜群。同じブンデス屈指のDFであるファン・ブイテンボルトンもそう大差はない。ファン・ブイテンなら空中戦は期待出来るが。
となると今後に成長の見込める若手を獲得し、既存戦力と併用していくのが妥当か。例えばドイツ代表のメルテザッカー。空中戦は問題なし。ただしスピードへの不安があり、まだまだ経験不足が否めない。フリートリヒなら右SBも兼任できて便利。ドルトムントメッツェルダーが完全に復調すれば理想的な人材だが・・・。

    • MF

質実剛健なドイツカラーのチームに、ブラジルらしいラテンの彩りを与えていたゼ・ロベルト。抜群のドリブルテクと、正確なクロスに代表されるアシスト能力を失うのはマイナス要素。契約切れで放出されてしまう彼の穴を埋める人材が欲しいところ。
ここもシュツットガルトから。ずばりアレクサンドル・フレブが適任でしょう。スピードもあってドリブルもうまいし、運動量もあって守備も怠らない。キープ力があるので相手を引きつけることができ、パスセンスならゼ・ロベルト以上。シュツットガルトではトップ下を務めているが、マガト政権では左サイドを任されていたので難なく適応すると思う。

  • イマジネーション溢れるアタッカー

ドイツサッカーに欠けているイマジネーション。前線で変化のつけられる選手。バイエルン首脳はそういう要素を求めて、オフにデコやテベスを狙っていたのだと思う。
ただしマガトのサッカーの適応できて、創造性も持ち合わせるような選手は極僅か。破格の値段。守備もうまいデコが最適だったと思うが、現時点で獲得は不可能。テベスもチェルスキ−・ブラジル支部に行ってしまった。ロシツキーも金額的にどうだろう。ブンデス屈指のトップ下であるリンコルンやマルセリーニョも魅力的だが。
ここは無理に求めることはせず、既存戦力のダイスラーの覚醒に期待をかけたいところ。彼は本当に凄いものを持っているのだが、怪我や病気の不運に加え、あまりに波がありすぎる。正確なパス・クロス、ドリブルテク、一撃必殺のプレスキック、そして創造性。シュナイダーを一回り大きくしたようなサイドアタッカーになれるポテンシャルを秘めている。
と言われ続けてはや数年。シュバインシュタイガーの台頭に押され気味。プレッシャーの少ないクラブで伸び伸びやらせる方が良いかもしれないけど、安易な放出は勿体無い。

  • FW

マカーイピサロゲレーロサンタクルスで十分。

  • GK(カーンの後継者)
  • カーンの衰えは否めない。とはいえ凡百のGKよりいまだ優っているのは事実。クラブに対する貢献度を考慮して、2006年まで契約を全うさせるのも一つの手。その分の補強資金は他のポジションに使いながら、溜めたお金で06WC後にヒルデブラント。それまでに控えのレンジングが成長していれば補強の必要はなし。理想的な世代交代になると思う。
  • 来シーズンに向けて

クフォー、ゼ・ロベルト、ツィックラー、ラウ、ハシェミアンあたりは放出濃厚。コバチ、リンケ、サンタク、イェレミースも費用削減のため可能性がある。スタメン候補の新加入はフレブ、ラーム、メルテザッカーorフリートリヒで。強力かつ層も厚いCHとFWに新たな補強は必要なし。

2005-06シーズンの理想スタメン(現実的に考えて)


    マカーイ   ピサロゲレーロ


フレブ     バラック     シュバイニー(ダイスラー


      デミチェリスフリングス


ラーム                 サニョルフリートリヒ
   ルッシオ  ブイテンorメルテザッカー


         カーン

シュツットガルトからヒルデブランドとヒンケルまで取れたら万全なんだけど、そこまで補強する資金力はないので、この辺が理想的かな。シュツットガルトの都合もあるし。
こうなったら今年以上に強い。アーセナルが今年のままだったらまず歯が立たない。中盤の鬼プレスに更に磨きをかけて、パスサッカー志向のチームを苦しめるのは間違いないでしょう。
より守備的に行くなら、SHにハーグリーブスフリングスを起用。そして鬼プレス。フレブ‐ラームという強力なラインによる左サイドの活性化で、全体的な攻撃力も増している。更なる飛躍が予想されるスーパーサブゲレーロも脅威。
弱点はある。超一流のFWを相手にした際の不安と、FW陣がやや一本調子なところ。中盤でゲームをコントロールする人材もいない。エッフェ級の司令塔がいないということ。攻撃が手詰まりになったときに、変化をつける人材に欠けている感がある。そんな時はゲルマン魂頼みに。




引き続きリクエスト歓迎。残りのビッグクラブ考察候補はバルサ、マドリー、インテルアーセナルミランチェルシーリバプールはCL後にでも。ローマ、バレンシアあたりはあまり金がなさそう。やれなくもないけど。