新潟 0-1 ジュビロ磐田

テレビで。
ようやく勝利。何より重要なのは結果だと思うんで、今日は良かったと思う。元気のないベテランや新戦力を尻目に奮闘してきた若手の、成長した姿がはっきり現れた試合。
今までの試合になくてこの試合にあったものは、前線の動き出しの多さ。例えばヨンスとグラウの2トップと、今日の前田とカレンの2トップの運動量では雲泥の差がある。散々書いてきたけど、現状で動かないFWは必要ない。
前線の選手がDFライン付近で止まっていては何も起こらない。前線の動き出しが豊富じゃないと、味方が使う効果的なスペースは生まれないし、中盤はパスの出しどころが見つからない。相手に前からチェイスをかけなければ、組み立てにも余裕を持たせてしまう。
それでも独力で局面打開したり、確実に前線でボールをキープしたり、決定機を高確率で決めてくれるなら良いんだけど、そんな一級品FWはジュビロにいない。ヨンス(移籍金一億は高すぎ)やグラウはまだコンディション不良。
カレンも前田も当たり前のように相手にチェイシングをかけるし、スペースに飛び出して攻撃を活性化させていた。スペースに飛び出せば相手のラインも下がるので、中盤でボールを持てるスペースも生まれる。走れる前田をベンチにも入れずに干していたのは、明らかに失敗だったと監督も気付いたと思う。適正ポジションが中盤よりFWなのも明らか。
ジェフ戦で仄かな可能性を感じさた右サイド今季初先発の太田。今日も積極果敢なスペースへの走りこみや、労を厭わない運動量で右サイド攻撃に前節以上に貢献していた。サイドを疾走するスピードは抜群。まだポジショニングには問題あるけど、ああいう積極性は買いたい。ゴールをアシストしたクロスは見事。現状では川口より優先させるべき。
先発トップ下の成岡も良かった。右サイドからの太田のクロスに対して、前田とカレンがニアに走り込んで空けたスペースに、タイミングよく飛び込んでヘディングゴール。FWの作ったスペースにを突く役割を見事こなした。今日は良く動いてボールに絡もうとしていたし、得意のミドルも積極的に打った。判断ミスでボールを奪われる事もあったけど、最近では1番良い出来。これからも継続して使って欲しい。
今まで名波がトップ下で使われる事が多々あったけど、やはり中盤の底からパスを散す方が適任。トップ下は成岡のようなFWを追い越してゴール前に飛び込んでいけるような選手じゃないと、現状では攻撃が手薄になってしまう。
山本監督は五輪代表でも小野をぶっつけ本番でトップ下に起用し、見るも無残な結果に終わっていた。どうやらパスに長けた司令塔タイプをトップ下に起用する前時代的な考えを持っているようだ。司令塔はトップ下より中盤の底に置くのが世界的な潮流。名波もトップ下よりボランチの方が良い。前に走る選手が多いと、後方からの名波のパスも活きる。これで監督もボランチに固定してくれれば良いんだが。

見事勝利したとはいえ、まだまだ課題は山積み。新潟だから勝てたものを、今日のサッカーで上位チームを上回れるかは疑問。相変わらず簡単にゴール前まで攻め入られてしまうし、エリア内の守備もばたついている。村井を活かす攻撃パターンの構築も出来ていないし、前線で動かないヨンスをどう組み込むのかも不透明。今日の攻撃陣だけだと決定力には不安が残る。
とはいえ先に繋がる試合だったのは確かなので、監督にはこの流れを妨げない普通の采配を期待したい。しばらくは走れる若手主体で勢いを出し、手詰まりになった時にベテランの経験に頼れば良いと思う。五輪での失敗を反省して、良い流れの出来たチームを下手にいじらないようにお願いします。

ふと思ったけど、今日の内容の延長上にあるサッカーって、山本監督の志向するサッカーとは別物だよなあ・・・。電柱への放り込みはジュビロには似合わない。