決勝T一回戦プレビュー

バルサマルケス不在で守備力にどう影響が出るか。ここ最近のリーグ戦では前半戦のような勢いはない。ターンオーバーをひけないが故のコンディション低下。そしてどのチームも徹底的なバルサ対策。ゴール前に人数を固めてスペースを消して、中盤のプレッシングを飛び越すように裏のスペースにロングボールを蹴りこんでくる。チェルシーも見事なまでにバルサ対策を実行して苦しめた。第2戦も「攻めるバルサ、カウンターのチェルシー」という構図は変わらないと思う。中盤の主導権争いもバルサが勝つでしょう。
この一戦だけに限ればチェルシー有利のような気がするけど、第一戦目を落として勝ちに行かなくてはならないとなると話は別。単に無失点に押さえるだけだったら計算できるだろうけど、この試合は勝ち越さなくてはならない。攻めに比重をかけた際には少なからず隙が生まれるはず。ロッベンが健在ならカウンター一辺倒でも崩せそうだけど、現状メンバーではある程度リスクをかける必要があるでしょう。その分だけバルサ有利かな。チェルシーにしたら早い時間帯で先制して、バルサが攻めざるを得ない状況にする必要がある。ドログバロッベン不在では、大量得点は望めない。高さというアドバンテージを生かしたセットプレーが鍵か。
バルサは先制されると苦しい。アウェーゴールを奪われているので、0-1のままだと敗退決定。何としてでも攻めなければならない状況になれば、チェルシーのゲームプランに嵌る可能性もある。相手の鉄壁の守備に加え、11対11の状況では、相手の逆襲にも注意を払わなくてはならない。そうなるとカウンターの脅威は大きく、第一戦目の後半のように好き勝手には攻められない。
バルサはドローなら問題ないわけだけど、初めからドロー狙いのゲームプランを得意にはしていない。その辺の戦術的柔軟性は、例えばミランには劣る。守備力はけして低くないけれど、高いラインを維持してのプレッシングという、あくまで攻撃的な守備が持ち味なので。引いて守ることは出来ないし、クラブの哲学上やらないでしょう。終了間際の失点が怖いので、できればリードして試合を進めたいところ。はじめから勝つつもりで行かないと足元をすくわれる可能性大。

攻撃の中心であり、反面守備組織的には穴でもある。第一戦目の先制点に繋がったダフへのロングパスは、ロナウジーニョランパードへのチェイスを怠った事が起因となっている。左サイドでのプレスの不備は、その他の試合でも多々ある。そういったマイナス面を帳消しにする魅力があるからこそライカールトは重用しているわけで、その期待に応えられるか。変幻自在の個人技でチェルシーの鉄壁の守備に穴を空けたい。

アウェーで勝利したミランが有利。マンUは勝利するしかないわけで、攻めに比重をかければミランのカウンターの格好の餌食となる可能性が高い。ミランは引き分けでも問題ないわけだから、慎重なゲームプランで試合に挑んでくるでしょう。そうなった時のミランは硬い。
ミランシェフチェンコがいまだ不在なので、1トップ下にカカーとルイ・コスタを置いたツリーシステムが濃厚。無理に攻めることはせず、ポゼッション重視により主導権を握りたい。マンUは第一戦目のようにピルロを自由にさせると主導権を奪われてしまう。積極的にプレッシングによるボール奪取が求められる。
マンUが攻め勝つとなると、ファンニステルローイの爆発が必須か。ただし復帰したばかりで本調子には程遠い。リーグ戦でも決定的なチャンスを外していた。となると3トップの残りの2人。特にルーニーに期待がかかる。ニステルをうまく囮に使って攻められれば。ただしネスタマルディーニ擁するミランの守備は堅固。最後尾を守るジーダにも穴はない。逆にマンUはGKに不安あり。
総合力的にもミラン有利は揺ぎ無い。サンシーロでの敗北の可能性は低いと思われるが。

これはもうほとんど決まりでしょう。ブレーメンもアウェーでの敗戦だったらまだチャンスはあっただろうに。この状況で奇跡が起きたら面白いけど。