GP決勝大会

準決勝についてはここで書いたけど、それ以外も民放放送を機に軽く書いておくか。近藤完敗と決勝ノーコンテストで書く気を失ってた。

ミルコ強し。強豪相手に見事な復活劇。
アレキサンダーが雑魚に見えたかもしれないけど、彼はかなり強いよ。でもミルコの敵ではなかった。体重差20kgの相手に組み付かれたのを振りほどいて、さらに投げ捨ててまでしたのは凄かった。左ハイは鮮やか。ヒョードルをKOできるの筆頭格闘家は、一撃の武器を持つミルコかな。
ヘビー級柔術王者のファブリシオ・ヴェウドゥムなどを加えて一新されたチームクロコップ。練習環境は申し分なさそうで、グラウンド技術のさらなる向上も望める。議員の仕事もあまりないらしいし、ミルコ旋風はこれからも吹き荒れそうです。

シウバ強し。近藤の完敗ですね。あのロープ掴んで威力倍増の踏み付けには戦慄を覚えた。反則だけど。
序盤は真っ向勝負で打ち合ったけど、実力差は歴然。近藤が積極的に前に出て、ヴァンダレイはいつものカウンター狙い。不用意なローをパンチで合わされたのが痛かった。パンチの回転力と威力に思った以上の差があった。真っ向勝負では厳しい。でも近藤が慎重にいったとしても結果は変わらなかったと思う。もしそうなったらヴァンダレイの圧力に一方的な展開も考えられる。体格で優るヴァンダレイ相手に真っ向勝負して、パンチでは多少なりとも打ち合えた近藤を責める事は出来ない。恐ろしいまでの緊張感に溢れた好勝負だった。
実力差も当然あったけど、やっぱり体格差の影響も大きかったかな。発表体重差は5kgだったけど(近藤87.5kg、シウバ92.5kg)、これはたぶん前日軽量(2日前かも)の結果でしょう。当日体重のはずはないと思う。一日違えば体重はかなり戻せるもの。見合ったときの体格は体重差以上の印象を感じた。同じ体格だったらパンチももっと効かせられただろうし、一発喰らって怯むような事もなかったはず。でも勝つのは厳しかったかな。
あとは経験と練習環境の差。
フア兄弟をはじめとする強豪揃いのシュートボクセで鍛錬を積んでいるヴァンダレイと、パンクラス・イズム所属の近藤。たぶん近藤は自分と互角に渡り合えるような相手とは練習していないと思う。ボクシングジムでのパンチ強化も、近藤と同体格のボクサーはいなそうなんで、ミット打ち主体なのかな。ロシアントップチームやレッドデビルにでも修行へ行かないかなあ。
経験。トップクラスの実力を持つストライカー相手との試合経験不足も影響したと思う。近藤は強豪グラップラーとは対戦しているけど、ストライカーとの対戦は少ない。最近では郷野くらいか。その郷野にしてもヴァンダレイと同じシュート・ボクセ所属のショーグンに負けている。パンクラスだとそこまで強豪を呼べないのは苦しいところ。ヴァンダレイには見劣るけど、パンクラスカストロ、サイボーグ、テレル(ストライカーではないけど打撃強力)とやっておけば、試合展開は違ったのかも。
これでPRIDEミドル級(-93㎏)はトップクラスは外人天国。日本人の入り込む隙間はない。近藤に期待したいけど、100㎏から-93㎏に減量してくる強豪外人と、ナチュラルで87kgの近藤。道は険しい。まずはパンクラスで結果を残し、機を見てPRIDEに再挑戦かな。その頃に一つ下の階級が出来ていれば良いんだけど。その頂点にダン・ヘンダーソンが君臨しているような状況で。他にもフィル・バローニや、エバン・タナーと戦う近藤が見たい。リンドランドを秒殺したテレルもパンクラスの再上陸して欲しい。

一戦目のノゲイラ戦と同じようにパウンド勝負のヒョードル。潜ってのスイープや足関節狙いのノゲイラ。でもヒョードルのバランスが素晴らしくて崩せない。ノゲイラも下から巧く距離を作ってヒョードルのパウンドに対応し決定打を許さず。それでもヒョードルが上から押し気味に試合を進める。一旦離れて飛び込んでのパウンドなど攻めも多彩。ノゲイラも下から関節を狙うも、このレベル相手に下から一本を取るのは難しい。このままヒョードルの判定勝ち濃厚かな、と思ったらバッティングでヒョードル流血。ノーコンテスト
傷口から判断して妥当な裁定でしょうね。PPVでは傷口をしきりに見せていたけど、とても続投できるような傷ではなかった。傷がなかったとしたら、ヒョードルの判定勝ちかな。
これで黄金のカードは次回に持ち越し。DSEは年内に実現させるといってたけど、ノゲイラは左腕骨折で手術予定。10月実現は無理でしょう。ヒョードルvsミルコを先に実現させるのか。それともヒョードルノゲイラ戦まで出場はなしなのか。安易な噛ませ犬とのカードは避けてもらいたい。

  • 民放放送終了

決勝がノーコンテストという事で一見さんは拍子抜けかな。小川直也の惨敗もどう受け入れられたんだろう。オリンピックの裏で、ゴールデンタイムでの放送がどう評価されたか気になるところ。プロレスと違い、主催者・ファンが望むような結末を作れないシュート興行。こういったアクシデントは仕方ないですね。
プロレスが生き残るとしたら、このアドバンテージを生かして、観客が満足するような結末を作っていくしかないでしょう。同日のG-1での天山優勝は、会社に露骨にプッシュされている新三銃士優勝よりよっぽど良かった。