うーん、観ている間は楽しめたけど、終わって振り返ってみるとそうでもないかな。いまさらだけど対戦者に実力差がありすぎ。予想していたけど、技術的には総合が普及していない頃に戻ったようなレベルの試合が多し。軽量級の試合だけが異質だった。それとロープ際でのドントムーブは必要だと思った。ロープ際の攻防だと攻め手が限定されてしまっておもしろくない。
エースであるサップが惨敗してしまって、これからどうするんだろう。藤田で数字を取れるのかな。状況的にタイソン戦は無理でしょう。ヘビー級の分かり易い異種格闘技戦は仕方がないとして、せめて中量級を充実させて欲しい。
新日本関係のプロレスラーは勝ったけど、これで新日本プロレス最強なんて打ち出さないよね。ちなみの一緒に観ていたK-1ファンは、今まで弱いと思っていたプロラスラーにK-1戦士が負けて相当落ち込んでいたよ。

ブルーウルフ vs トム・ハワード

ダイジェストで詳しくはわからんけど、テイクダウン力でモンゴル相撲出身のウルフが優った結果でしょう。勝った方も大して価値が上がったわけではなく、結局はプロレスラー同士の無意味なガチンコだった。プロレスラー同士はプロレスで素晴らしい試合をやろうぜ。

サム・グレコ vs LYOTO

ちゃんとした試合になっていておもしろかった。ダイジェストなのが悔やまれる。グレコはしっかり総合の練習をしているんだね。LYOTOの極めが弱いあったけど、グラウンドでもしっかり相手の攻撃を凌げていた。総合素人にありがちなギロチンでやられるような醜態も見せず。イグナショフより遥かに総合に適応している。 身体能力と反射神経が素晴らしい。若い頃からとまではいかなくても、総合転向した直後の大怪我さえなければ良い総合格闘家になれたんではないか。たぶん中邑では勝てません。 LYOTOは要修行だな。

ゲーリー・グッドリッジ vs ザ・プレデター

プレデターには身体能力の高さから期待を持っっていたけど、普通にキックボクシングをやってしまったらグットリッジには勝ち目はない。下手なキックはいらなかったし、レスリング仕込みのテイクダウンを見せて欲しかった。まあ総合2戦目ではこんなもんかな。少なくともサップよりは強いでしょう。

ジョシュ・バーネット vs レネ・ローゼ

いまさらだけど実力差が離れすぎ。ジョシュもスープレックスが出来なかったから満足はいってないだろうな。ローゼの総合での実力はK-1戦士の中ではトップクラスなので、それを秒殺してしまったジョシュに見合う相手はいなくなってしまった。UFCから強豪を連れてくるしかないか。でもそうなると異株格闘技戦というK-1のコンセプトからは外れてしまう。実力差が激しすぎる試合はもう止めて欲しいけど無理そう。

須藤元気 vs ホイラー・グレイシー

打撃とスタンドレスリングで優位に立つという、オールドスタイルの柔術家への勝ちパターンか。いかに最強を誇ったホイラーとはいえ、体重差のある今現在の総合の強豪と当たればこの負けはしょうがない。ヒクソンやホイスも、今現在の強豪と戦ったら同じ結果になるでしょう。ホイラーには多少なりとも幻想を持っていただけに、この完敗は少し寂しくもある。ホイラーは日本人とやるならルミナとやって欲しかったなあ。
元気は完全ブレイクでしょう。打撃・スタンドレスリング・グラウンドにバランスが取れていて穴が少ない。ただ元気も次から戦う相手がいないなあ。KIDは一階級下だし(KIDなら苦にしなそうだけど)、BJペンは今では一階級上(ペンが−70に戻しても厳しいでしょう)。ラドウィックとのリベンジ戦か、グレイシーの刺客とやっていくのかな。現代総合格闘技の最新バージョンを身に付けた新世代グレイシーが出てきて欲しい。

BJペン vs ドゥエイン・ラドウィック

ペン強すぎ。打撃と連動したテイクダウンの強烈さ、パスからマウントのへの速さ、マウントになってからの安定性。モノが違うな。ラドウィックもけして弱くないのに。これは初めて観た人にも衝撃を与えたでしょう。全盛期のヒクソンのような神懸かった勝利。TBSはしっかりペンを売り出す意思があるようで好感が持てた。ただ実力に見合う相手がもういない。谷川が元気戦を煽っていたけど、70kgの元気では勝ち目はない。KIDは無理でしょう。同門に近いし。どうすんだ? 
ラドウィックもマウント獲られてながらも下から殴り返す気持ちの強さは良かった。相手が悪かった。次頑張れ。

ドン・フライ vs 中尾芳広

もういいよ。

アレクセイ・イグナショフ vs 中邑真輔

うわー、予想通りイグが二日前に試合をやっている事がなかったことにされてるよ。「イグの調子はよさそう」という風なニュアンスのことを何気なく言う谷川はキラーだな。
レフェリーがイグナショフ有利にブレイクかけるような事はなかったね。主催者側としては貴重な日本人である中邑押しなのかな。このレフェリングだとテイクダウンに優る中邑有利に。中邑自身も今回はしっかり対策を練ってきたんだろうな。体もかなり絞れていた。体格的に−93がベストなんだろう。足へのタックルオンリーだった前回とは違って、胴タックルや牽制のパンチも混ぜてきたおかげでカウンターの膝のリスクも回避できた。課題の上になってからの攻めも前回より様になっていた。フィニッシュ前の、グラウンドで一回立ち上がって、ガードを取っているイグの両足を持って横に投げてからニーオンしながらサイドをとった動きは中々。そこから不利な体勢に返されるリスクの少ないギロチン狙い。それが見事にはまった。
イグも二日前にムエタイも試合があって体調不良、それに加えて総合の練習も全然やっていなかったんでしょう。いまさらギロチンでタップするなんて、まだ現時点では総合初心者のキックボクサーにすぎない。
両者とも良く頑張ったと思う。選手にしっかり体調管理させない主催者が駄目駄目だ。中邑は桜庭を意識したようなマイクで、思惑通り日本人のニューヒーロー誕生ですかね。

ボブ・サップ vs 藤田和之

サップねえ。底はもう見えていたけど、藤田相手にここまで何も出来ないとは思わなかった。苦し紛れのまぐれパンチが当たると思ってたんだが。
サップをテイクダウンしても、密着してグラウンドで攻めるわけではなく、猪木アリ状態からトロいサップの頭の方に回りこんで蹴り倒すという藤田の戦略がうまかった。サップは寝たらトロすぎてガードで足を利かせられないし、猪木アリ状態からエビさえもできないんだもん。猪木アリ状態から簡単に頭の方に回り込める。最後は気持ちが萎えてのタップで、もう総合格闘家としては終わったでしょう。藤田に完敗する様では、ヘビー級でテイクダウンのうまい相手には勝てそうもない。テイクダウンの下手な相手とやらせるしかないでしょう。もうプロレスに専念すべきだな。大事な客寄せパンダであるIWGP王者が無様な姿を晒してしまって、新日本プロレス的には痛い。
もうこれでサップは一般層にも化けの皮が剥がれてしまってもうだめぽ。一般層にはサップ=最強だったもんな。藤田がイメージとして最強になってしまったのが心残りではある。