イタリア代表発表
GK:
ジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)、フランチェスコ・トルド(インテル)、アンジェロ・ペルッツィ(ラツィオ)DF:
クリスティアン・パヌッチ(ローマ)、アレッサンドロ・ネスタ(ミラン)、ファビオ・カンナバーロ(インテル)、ジャンルカ・ザンブロッタ(ユベントス)、マッシモ・オッド(ラツィオ)、マッテオ・フェラーリ(パルマ)、マルコ・マテラッツィ(インテル)、ジュゼッペ・ファバッリ(ラツィオ)MF:
ステファノ・フィオーレ(ラツィオ)、シモーネ・ペッロッタ(キエーボ)、クリスティアーノ・ザネッティ(インテル)、マウロ・ジェルマン・カモラネージ(ユベントス)、ジェンナーロ・ガットゥーゾ(ミラン)、アンドレア・ピルロ(ミラン)FW:
クリスティアン・ビエリ(インテル)、フランチェスコ・トッティ(ローマ)、アレッサンドロ・デル・ピエロ(ユベントス)、ベルナルド・コッラーディ(ラツィオ)、アントニオ・カッサーノ(ローマ)、マルコ・ディバイオ(ユベントス)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20040519-00000016-spnavi-spo.html
ピッポが怪我の影響でメンバー落ち。世界最高レベルの決定力を誇る彼の離脱は痛いには痛い。
左肩上がりの4-2-3-1の1トップ第一候補はビエリ。サブは長身ターゲットマンのコッラーディ。代わりに入ったディ・バイオは左サイドもこなせる。
セリエAゴール数2位の新鋭ジラルディーノは選ばれてもおかしくなかったけど、代表経験がないから仕方がないない面もある。トッティをトップ下に置いた1トップでいく限り、ビエリの代役をこなせるコッラーディは戦術的に外せない。
意外だったのはトッティの代役候補であるミッコリが外れたこと。トラップはトッティと心中するつもりですね。トッティ次第だ。個人的にはバッジョが観たかったなあ。
ビエリ
システムはやや左肩上がりの4-2-3-1。スタメンはこんな感じでしょうか。
レギュラーのディフェンス面は出場国№1。ネスタとカンナバーロのCBは強固。GKはブッフォンに何かあってもトルドで何の問題もない。以前はMFをやっていたザンブロッタの左SB定着も大きい。ただしSBと控えには多少の不安も。
中盤のフィルター役は守備力に優れ、バランスの取れるペッロッタとザネッティ。ペロッタが散らし役で、ゼネッティが汚れ役。スクデット獲得のACミランでMVP級の活躍を見せたレジスタのピルロは恐らくサブ。あくまで攻撃的にいく時のオプションで、守備面を考えると中盤の底の2人の内の一人をピルロにするリスクをトラップは避けるでしょう。ガットゥーゾは逃げ切る時のための守備要員かな。中盤の底2人の人選は興味深い。
左は本来FWであるデル・ピエロ。抜群の閃きとテクニックで左サイドからチャンスを作り、高い決定力でゴールを狙う。ユーべでも同じようなポジションを任されていて、怪我から復帰した後も調子は上々。左サイドの守備も十分及第点。
今シーズン遂に覚醒したカッサーノはデルピエロの控え。トップスピードでのボールコントロールは最高レベル。ネックとされてきた好不調の激しさも大分少なくなり安定してきた。
3の右は流動的。パスやテクニック、得点機に飛び込むオフ・ザボールの動きに優れたフィオーレも捨てがたいが、守備力に優れよりフィジカルのあるカモラネージが選択されそう。突破力でもカモラネージの方が上。
ビエリはインテルでサブにされているとはいえ、依然世界最高レベルのストライカー。圧倒的なフィジカルでマークしてくるDFを引きずりながら、劣勢でも一人で試合を決めてしまう決定力を持っている。万が一ビエリに何かあっても、ハイボールの強さとポスト役としては勝るとも劣らないコッラーディで被害は最小限に抑えられる。
不動のエースはトッティ。イタリアの攻撃は彼が中心。今シーズンの活躍は世界最高峰。所属クラブのASローマでもチームの攻撃を一手に担い、トップ下でチャンスメイクをしながらゴール前に飛び込んで自らゴールも決めるという獅子奮迅の活躍。ドリブル突破、決定力、チャンスメイクの全てが高次元で、ジダンのように華麗なプレーを披露したりはしないが、得意のダイレクトプレーで素早く相手ゴール前を脅威に陥れる。その時々で何をするかの状況判断に優れていて、プレーの大部分がゴールに直結するのが素晴らしい。かつてあった波の激しさもなくなった。
恐ろしく強力なメンバー構成だけど、このシステムではトッティとネスタの代役が存在しない。中盤の3の真ん中を高いレベルでこなせるのはトッティしか存在せず、トッティに何かあったらシステムそのものを変更しなくてはならない(このポジションでデル・ピエロ、カッサーノはほとんど試されていないし、控えを務めていたミッコリはメンバーから落選している)。
マルディーニが代表引退した4バックを高いレベルで統率できるのも怪我が多いネスタだけ。優勝候補の一角には間違いないけれど、どこか危い感のあるイタリア代表。トッティとネスタ次第でしょうかね。