レジェスがアーセナルへ

セビージャFCは、スペイン代表のFWホセ・アントニオ・レジェスアーセナルFCに売却することを正式に認めた。
3,500万ユーロ(約45億8,500万円)と伝えられる移籍金は、アーセナル史上最高額となる。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=140559.html

冬のマーケット1番のサプライズ。前々からベンゲルが欲しがっていた選手だけど、スタジアム建設を控えるアーセナルが、この不況下に約46億円もの移籍金を払ってまで獲るとは思わなかった。出来高含めたらベッカム以上の評価とのこと。20歳の選手にこの移籍金は破格でしょう。
レジェスは評判通りの好選手だと思う。同じスペイン人のラウールによく例えられて「ラウル2世」と呼ばれているけど、プレースタイルはあまり似ていない。たぶん利き足が同じだからつけられただけ。
ラウールがオフ・ザ・ボールの動きの巧みさや、エリア内での得点感覚で勝負するタイプに対して、レジェスはそういう能力では全然及ばない。でもラウールよりスピードがあって突破力があり、得意のドリブルも非常にテクニカル。セカンドトップとしてもサイドアタッカーとしても有望で、ドリブルテクはスペインでもトップクラス。パッと見で凄さがわかる選手なんで日本人にも人気が出ると思う。
セビージャでは主にセカンドトップとして2001〜2002シーズンは8得点、2002〜2003シーズンは9得点。2001〜2002シーズンで初めて観たんだけど、スピードがかなりあって突破力は既に一流、ワンステップでDFをかわしてすぐにシュートを打つのも凄くうまい。もちろん若い選手にありがちな波もあるし、当たりもそんなに強い方じゃない。試合の流れから消えている時間帯もけっこうある。
今シーズンはWOWOWのせいでそれほど観れてないけど、レアル戦で大活躍をして4-1の勝利に貢献していた。ドリブルのキレはさらに磨きかかってる。この若さで代表デビューもしていて、代表でのポジションは主に左サイド。予選の3試合にも出場して2ゴールを挙げている。
アーセナルの左サイドにはピレスがいるので、セカンドストライカーとして使われると予想される。まあどちらでも使えるのは便利。アンリの後継者にも、ピレスの後継者にもなれる可能性を秘めている。
アーセナルにとって素晴らしい補強。ただこの破格の移籍金に見合ってるかと問われれば現時点で疑問符をつけざるを得ない。40億もの移籍金をかけるんだったら、弱点であるCBとGKを補強した方がよっぽどチームの戦力アップに繋がる。特にGKは最優先補強ポイントのはずだから、例えばフレイあたりを獲得しておいた方が妥当。そして噂にあるアンリ放出だけは止めておいた方がいい。レジェスを取って主力を放出したのでは意味がない。

スペイン人の国外移籍の前例を見ても、リーガとは違った特徴のリーグで必ずしも活躍できるという保障はない。メンディエタセリエAに移籍して、リーガでの活躍とは見違えるようになっってしまった。割と自由にボールが持てるリーガとは違い、展開の速いプレミアリーグに慣れるのにも時間が掛かりそう。
ただ期待に違わぬ可能性を感じさせるプレーヤーに間違いはない。スペイン人の国外移籍の前例を覆す活躍をして欲しい。