下書き



2006-07シーズン UEFAチャンピオンズリーグ

グループA
チェルシーイングランド
FCバルセロナ(スペイン)
ヴェルダー・ブレーメン(ドイツ)
レプルキ・ソフィア(ブルガリア

死のグループ」と表現したいところだけど、やはりバルサチェルシーの2クラブが抜けていると思う*1。ただ最激戦区には変わりない。

チェルシーはプレミアではまだ不調。ダフ、グジョンセンを切って*2バラックシェフチェンコといったビッグネームを補強。昨シーズンまでの4-3-3から、ウイング排除の4-4-2にシステム変更して戦ってるけど、まだフィットしていない。でも戦力的にここで崩れるのは想像しづらい。バルサはテンカーテの離脱がどう響くかだけど、継続路線のうえ戦力地アップしているので2位以内には入るでしょう。直接対決は楽しみ。リーガ開幕戦*3で決勝ゴールしたグジョンセンの恩返しに期待ですな。

クラッキ復活*4ブレーメンは、個人的に今シーズンのCLのダークホース候補だったのだけど、流石にこのグループだと厳しいよ。ブンデス3試合を見ても、相変わらず波が激しい。キーマンのジエゴも波が激しすぎ。嵌れば直接対決で2強を脅かす事もあるだろうけど、ソフィアに取りこぼす事もありそう。まあ、愚直なまでのハイライン攻撃サッカーで魅せてもらいたいですな。


グループB
スパルタク・モスクワ(ロシア)
スポルティング・リスボンポルトガル
インテル・ミラノ(イタリア)
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)

インテルバイエルンが2強。バイエルンバラック放出の影響、インテルは大量補強ゆえのネタ・クオリティー発動の懸念と、不安要素はあれど、ここは順当に突破してくるでしょうね。
ただモスクワは雪国パワーが強烈なので侮れない。リスボンも良いタレントはいるけど、ちょっと厳しいかな。スタイル的に正攻法だから。



グループC
リバプールイングランド
ボルドー(フランス)
ガラタサライ(トルコ)
PSVアイントホーフェン(オランダ)

リバプール優位。ただ3チームは曲者揃い。
リバポは地味目に的確な補強していて、最後に目玉としてカイトを補強。決定力不足に苦しめられたFWに、ベラミートカイト、そしてクラウチの成長もあるから、昨シーズンよりは期待出来そう。

ヒディングのいないPSVは、エースのフェネホールもいなくなったし、ちょっと厳しいかな。締め切り直前だから代役も簡単には獲得できないだろうし。
ガラタサライはホームで強いのは歴史しめきりが証明している。トルコといえば、今年が創立百周年記念で大量補強していたライバルクラブは予選敗退。監督がエースのアネルカと喧嘩して干したのが裏目*5。各国代表が揃った戦力はかなり充実していたのにね。アレックスとか強豪クラブでスタメンはれる実力者。勿体無い。でもCLがないのは国内リーグでは有利かも。俊輔vsジーコ見たかったのに。
ボルドーは堅守でCL圏内を獲得して、攻撃が課題。アシスト源としてミクーを獲得した。その彼のためにトップ下のポジションを置いて、4-4-2から4-2-3-1に変更したけど、FWもチームも1トップに適応できていない。ミクーの選択肢を増やす為には2トップにした方が良いんだろうけど、そうなると強みのサイドを削らないといけない。その辺の兼ね合いで苦労しそうな印象かな。


グループD
シャフタール・ドネツクウクライナ
ASローマ(イタリア)
オリンピアコスギリシャ
バレンシア(スペイン)

戦力的にはローマとバレンシアなんだろうけど、残りの2チームも侮れない。

アイマールを放出したバレンシアは、前での変化や攻撃構成力に欠けると思うんだけど、どうなんだろう。ビセンテホアキンの両サイドは、嵌ると突破最強の反面、どちらも一本調子なタイプだから、サイドを消されると手詰まりになる恐れがある。アイマール放出でトップ下のポジション無くして、CHはバラハ、エドゥ、アルベルダか。バラハが衰えてるし、補強すべきはCHと思ってたんだけどね。スペイン人ならガルシア、アルゼンチンならガーゴに投資とか。ミスタ、アイマールルフェテと功労者を切って、アジャラも微妙でどうなるか。スペインとアルゼンチンMIXがバレンシアの強みだったけど、純スペイン産のサイド攻撃主体4-4-2で挑むCL。アイマールアジャラの穴は痛いと思うけどなあ。


グループE
レアル・マドリード(スペイン)
リヨン(フランス)
ディナモ・キエフウクライナ
ステアウア・ブカレストルーマニア

ここはマドリーとリヨンでしょうね。優秀なブラジル人の多いキエフも強いと思うけど、地力が違うと思う。マドリーはカペッロサッカーが浸透するまでは不安だけど。

マドリーはカペッロと強力な新戦力でどこまで変われるか。ディアッラとの差し引きで、実力差は縮まったと思うが、チームの完成度では雲泥の差がある。


グループF
グラスゴーセルティックスコットランド
ベンフィカポルトガル
FCコペンハーゲンデンマーク
マンチェスター・ユナイテッドイングランド

マンUベンフィカがまたも同居。昨シーズンはベンフィカが勝ち残ったけど、今シーズンのマンUは昨シーズン終盤の好調を維持して上向き。ベンフィカも復帰した英雄ルイ・コスタがどうチームに馴染んでいるか期待したい。
俊輔のいるセルティックは簡単でないグループに入りましたね。スコットランドリーグレベルでも守備が危なっかしいので、マンUベンフィカの快速アタッカーにはかなり苦労するんじゃなかろうか。ただセルティックは伝統的にホームで強いので、勝ち抜きもありえなくはない。


グループG
アーセナルイングランド
ハンブルガーSV(ドイツ)
FCポルトポルトガル
CSKAモスクワ(ロシア)


ここは混戦。まあ、アーセナルが突破最右翼でしょう。
アーセナルは昨シーズンCL決勝まで躍進したけど、プレミアではスパーズの食中毒に助けられて最終節でギリギリ4位と、1年としての状態はけして良くなかった。今シーズンはピレスやキャンベルら功労者を放出して、目立った新戦力はロシツキーだけ。世代交代の難しい時期で、プレミアでも開幕から不調。悪い時の平面的なパスだけサッカーになってる。選手層も薄いし、コールまでいなくなると苦戦するかもしれない。今年も理想の攻撃的なポゼッションサッカーは諦めて、CLでは現実的なカウンターに徹した方が結果は出そう。
ハンブルガーは攻撃の要だったバルバレスと、守備の要だったファンブイテンの放出が痛い。ブラルーズまで放出したから、CBはコンパニとマタイセンの新顔コンビ。昨シーズンのブンデスで見せた堅守を再現するのは時間がかかりそう。ラフィーの閃き次第かな。
ポルトはかなり良い戦力そろえているので期待していたけど、監督のアドリアンセがフロントとの確執で解任。どうなるんだろう。戦力的にはかなり良いけど、監督の穴は大きそう。
CSKAは戦力的にはかなり強烈。ダニエル・カルバーリョはビッグクラブでも十分やれる逸材。


グループH
ACミラン(イタリア)
リール(フランス)
AEKアテネギリシャ
RSCアンデルレヒト(ベルギー)


ミランはかなり恵まれたグループに入った。シェヴァの放出で戦力的にはダウンしているけれど、危なげなく勝ち抜くでしょうね。新戦力ではグルキュフに期待。
他はどうだろう。アテネアンデルレヒトはよく知らんけど、リールはかなり良いチーム。中盤にはボドメル、キャバイエ、マクンというビッグクラブ注目の有望な若手タレントがいるし、前線の快速オデムウィンギィーを活かしたカウンターは嵌ると強烈。組織的にもよくまとまっている。弱小クラブで2年連続CL出場は伊達ではない。監督のクロード・ピュエルは今後注目ですよ。




イタリア・セリエAACミランが31日、レアル・ベティス・バロンピエからブラジル代表FWリカルド・オリベイラ(26)を獲得した。移籍金は公表されていない。オリベイラの獲得に伴い、ミランのスイス代表MFヨハン・フォーゲル(29)がベティスへ移籍することも決まった。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451599.html?cid=rssfeed&att=index

移籍金1750万ユーロ(25億7800万円)にスイス代表ヨハン・フォーゲルを加えた形とみられている。

ホアキン騒動で物議を呼んだ元会長、シェヴァを失ってストライカーを探しているミランの足下を見て、かなりぼったくったな。25億でも美味しいけど、フォーゲルまでくれるとはね。
オリベイラは良い選手だけど、ミランが欲しているのは周囲を活かせる万能型FWだと思う。
ホアキンだけでなく、オリベイラも失ったベティス、戦力的には大損失。ただ適正価格以上の値で売って、その移籍金の一部で戦力補填したわけだから、経営的には正解とも捉えられる。欧州カップ戦のないチームに身の丈に合った戦力であることも確か。
ただねえ、せっかく現場復帰したイルレタから戦力奪わないでくれよ。既存戦力にある程度の補強をすれば、欧州カップ圏内を十分狙える陣容だったのに。これでベティスが昨シーズン以上の成績残せたら凄いな。イルレタ・サッカーの復活を期待したいね。



オランダ・エールディビジ王者のPSVアイントホーフェンが31日、元同国代表のFWパトリック・クライファートバレンシアCFから獲得した。
PSVは31日、リバプールFCから右SBヤン・クロンカンプを5年契約で獲得したことも発表した。クロンカンプは、昨年夏にAZアルクマールからバレンシアCFへ移籍した後、今年1月にはリバプールFCへ移った。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451811.html?cid=rssfeed&att=index

ヘッセリンクの代わりにクライファート。和製クライファートも伸び悩んだし。和製ナントカって縁起が悪いね。和製アンリが騒がれてるけど、現時点ではアンリと比較するようなレベルでもプレースタイルでもない。アンリは速くて点を獲るだけでなく、世界最高峰の万能型FWだから。SBSカップでも傑出した活躍を見せたわけではないしね。ポテンシャルは感じるけど、現時点でマスメディアが騒ぐのは早いような。

イタリア・セリエAFCインテル・ミラノが31日、USチッタ・ディ・パレルモのアルゼンチン人ウインガーマリアーノ・ゴンサレス(25)を1年間の期限付きで獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451720.html?cid=rssfeed&att=index

インテルは厳しいよ。

セルティックFCブルガリア代表MFスティリアン・ペトロフ(27)が30日、イングランドのアストン・ビラFCへ960万ユーロ(約14億円)で移籍した。
両クラブの合意内容は、出場試合によって移籍金が1190万ユーロ(約17億5000万円)に上昇することになっている。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=450995.html?cid=rssfeed&att=footballeurope/index

まあ売り時といえば売り時だし、金額も悪くないけど、CLを見据えると戦力的損失は甚大。

スコットランド王者のセルティックFCが、レアル・マドリーCFデンマーク代表MFトーマス・グラベセン(30歳)を、3年契約で獲得。移籍金は、約300万ユーロ(約4億3800万円)と見られている。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451075.html

これで最小限に抑えられたかな。タイプ的に違いはあるけど、実力的には大差ない。むしろより高いレベルでの実績ではグラベセンの方が凌駕する。移籍金の差額を考えると、そう悪くない補強策だと思う。でもCLを考えると痛いね。でもこの移籍を見越してフェネホールを獲得できたと考えれば、そう悪くないのでは。

スコットランド王者のセルティックFCは24日、PSVアイントホーフェンのオランダ代表FWヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク(27)を正式に獲得した。移籍金は500万ユーロ(約7億4000万円)。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=448692.html

デビュー戦見たけど、スコットランドリーグのレベルでは別格ですね。ハートソンよりも足下が巧いし、年齢的にもポテンシャルは上でしょう。CLの経験も豊富なので、セルティックにとってはかなり良い補強。


フランス代表MFベノワ・ペドレッティ(25)がオリンピック・リヨンを退団し、AJオセールと3年契約を結んだ。移籍金は推定600万ユーロ(約9億円)。
http://jp.uefa.com/competitions/UEFACup/news/Kind=1/newsId=450997.html

リヨンのプレーメーカーは、ジュニーニョが不動の存在だし、開幕から控えの新戦力シェルストレームがかなり良いので、出番は見込めそうにない。この移籍は正解でしょうね。
オセールにはトップ下にカーレンベルクというイチオシ選手がいる。縦の関係を築ければ面白そう。システム次第だけど、ポジションを争うようだと厳しいね。

クラブ・アトレティコ・マドリーが29日、ポルトガル代表MFマニシェ(28)をFCディナモ・モスクワから900万ユーロ(13億4000万円)で獲得した。契約期間は3年。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=450722.html?cid=rssfeed&att=footballeurope/index

アトレチコは凄いね。どこからこの資金が出てくるんだろう。これで今シーズンCL圏内は入れなかったら、財政的にかなりやばくなりそう。というか既にやばいでしょ。
ポルトガル代表のダブルボランチ加入で、昨シーズンの弱点だった中盤センターが改善された。ルクサンやガビも、アギーレの元ならさらに活きるかもしれない。

トーレス アグエロ
ペトロフ マキシ
マニシェ コスチーニャ
ペルニア 

アギーレで駄目だったら、このチームはずっと駄目ですな。インテルニューカッスルアトレチコ、補強資金や戦力と成績が見合わないことで、各リーグを代表するクラブの内、どこが先に抜け出すでしょうね。

スペインのレアル・ベティス・バロンピエは29日、ドイツ代表MFダビド・オドンコー(22)をBVボルシア・ドルトムントから600万ユーロ(8億9000万円)で獲得した。
ベティスは24日に2400万ユーロ(35億8000億円)でバレンシアCFへ移籍したホアキン・サンチェスの代役を期待している。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=450630.html?cid=rssfeed&att=footballeurope/index

ホアキンの穴埋め。オドンコールは、ホアキン以上に一本調子のタイプ。スピード以外の武器がないから、縦を切られると手詰まりになる。クリンスマンの彼の長所と短所はよく分かっているようで、WCのドイツ代表では、途中交代で限定的に起用されていた。研究されていないWCでは活躍できたけど、リーガではどうだだろう。
ドルトムントでも今シーズンは控え扱い。いきなりホアキンを欠いたベティスの右サイドのレギュラーを期待されると厳しいかも。ただスーパーサブとしては十分通用するでしょうね。アグレッシブさとスピードは大きな武器になるでしょうね。クロス精度は要改善。イルレタなら巧く使ってくれると思うよ。

個人的にホアキンバレンシアに売るなら、移籍金に加えてシルバかガビランを貰えばよかったのにと思う。この2人はまだ無名だけど、将来はスペイン代表に入ってもおかしくない逸材。特にシルバは昨シーズンのセルタでもかなり活躍していたし、今シーズンのプレマッチやCL予選での評判も上々。早く日本でもリーガ放送して欲しいね。




ビジャレアルCFのアルゼンチン代表左SBファン・パブロ・ソリンが、ドイツのハンブルガーSVと3年契約を交わした。移籍金は推定300万ユーロ(約4億4,700万円)。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451252.html

ソリンをお買い得価格で獲得。
アルゼンチン代表と違い、ビジャレアルでのソリンは左SHを主にやっていて、そこでも不動のレギュラ-ではなかった。放出は既定路線ですね。ただピレスが大怪我したので、残すのも手だったと思うけど。
HSVではどこをやるんだろう。アルゼンチンでの左SBは、あのチームコ旺盛だからこなせたポジションで、普通のチームの左SBに置いても流動的なポジショニングが逆にアダになる。中盤での起用が濃厚なのかな。HSVファンブイテン、ブラルーズ、バルバレスといった中心選手が抜けて、ラフィーがまたも怪我。CLはかなり厳しいね。

UEFAチャンピオンズリーグに出場するASローマが、攻撃力強化のため、降格したUSレッチェから、セルビア代表のFWミルコ・ブチニッチ(22)を期限付きで獲得。移籍金は、330万ユーロ(約4億6200万円)となっている。
来年の夏に、ローマがブチニッチを完全移籍で獲得すると決めた場合は、さらに750万ユーロ(約10億5000万円)がレッチェに支払われる。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=451172.html

スパレッティのツテでイアキンタあたりを狙ってると思ってたら、ヴチニッチか。スパレッティ式ローマの流動的なトップ構成にも対応できるタイプだし、セリエAでの得点実績もあるので、悪くない補強ですね。
イタリア代表監督はドナドーニに決まったけど、もしこけたら、スパレッティプランデッリになるんじゃないかな。もしくはマンチーニアンチェロッティがこけたら、イタリア人ならこの2人のどちらかが濃厚だね。

ドイツ・ブンデスリーガ王者のFCバイエルン・ミュンヘンが、FCバルセロナのオランダ代表MFマルク・ファン・ボンメル(29)を約600万ユーロ(約8億4,000万円)の移籍金で獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=449764.html

バルサはフリー移籍で仕入れて、そこそこ貢献してもらって、8億で放出と。なかなか巧い補強方策ですね。イニエスタが急成長しているし、新戦力グジョンセンもCHをこなせて、便利屋モッタもいるので、そこまでのダメージはないと思う。
バイエルンバラックの穴埋めとして獲得したのかな。バラックのようなゲームメイクはできないけど、守備から飛び出しは中々のもの。お金もないみたいだし、この値段ならいい選手を獲得できたと思う。でも苦しいね。ブンデスは良くても、CLが厳しい。
トップ下は来シーズンあたり、今シーズンの活躍次第で、ジエゴ、ラフィー、リンコルンを引き抜きそうな気がする。ブンデスのライバルクラブから強奪するのが大好きだから。CHとなると、ドイツ人ならロルフェスとか。サヒンも危ないね。


RCセルタ・デ・ビーゴは29日、レアル・マドリーCFウルグアイ代表の守備的MFパブロ・ガルシア(29)を1年間の期限付き獲得することに合意した。
http://jp.uefa.com/competitions/UEFACup/news/Kind=1/newsId=450211.html

守備的なタイプで、繋ぎもそこそこ計算できる。タイトル獲得が義務付けられているマドリーには物足りなかっただけで、ビッグクラブ以外ならどのリーグでも十分通用する実力者。そもそも昨シーズンに何故マドリーが獲得に乗り出したか疑問だった。ルシェの失敗か。
セルタの中盤の底にはオウビーニャがいるけど、彼は潰し屋という散し屋だから、ガルシアとはタイプが違う。4-1-4-1でやるなら、ガルシアを底に置いて、オウビーニャを一列上げて守備負担を減らす事もできる。レンタルだからリスクも少ないし、良い補強でしょうね。活躍次第では買い取りもありえる。

フェネルバフチェSKが700万ユーロ(約10億4,300万円)の資金を投じ、クラブ・アトレティコ・デ・マドリーのセルビア代表FWマテヤ・ケジュマン(27)を4年契約で獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UEFACup/news/Kind=1/newsId=449766.html

無駄使い。




UEFAチャンピオンズリーグに出場するバレンシアCFは24日、レアル・ベティス・バロンピエからスペイン代表ウインガーホアキン・サンチェス(25)を獲得した。移籍金は2400万ユーロ(約35億6000万円)前後。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=448637.html

UEFAチャンピオンズリーグを戦うASローマが、インテル・ミラノFCのチリ代表MFダビド・ピサーロ(26)を獲得した。移籍金は650万ユーロ(約9億6,200万円)。ローマと4年契約を交わしたピサーロだが、当初はインテルからの移籍を拒んでいたため、両クラブの共同保有という形で交渉がまとまった。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=446941.html

フランス・リーグ1王者のオリンピック・リヨンは23日、レアル・マドリーへ移籍したマアマドゥ・ディアラの代役として、RCランスからフランス代表MFアルー・ディアラ(25)を獲得した。リヨンは700万ユーロ(約10億円)の移籍金を支払ったと報道されている。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=448220.html

オリンピック・リヨンがマリ代表MFマアマドゥ・ディアッラのスペインへの移籍志願を認め、レアル・マドリーCFに移籍させることで合意した。
両クラブは移籍金を明らかにしていないが、レアル・マドリーは、ディアッラの獲得に推定2600万ユーロ(約36億4000万円)を支払ったと報じられている。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=446843.html?cid=rssfeed&att=index

UEFAチャンピオンズリーグ・グループリーグに出場するハンブルガーSVが24日、AZアルクマールからオランダ代表DFヨリス・マタイセン(26)を獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=448609.html

得点力強化を狙うバレンシアCFが、イタリア人FWフランチェスコ・ターバノ(27)をエンポリFCから4年契約で獲得した。移籍金は800万ユーロ(約11億8000万円)。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=445961.html

ディバイオコッラーディと獲得したイタリア人FWは失敗したのに、懲りずにまた補強。27歳に15億か。放出したアイマールとほぼ同額。これはどうなんだろう。従来の4-2-3-1から、トップ下を無くして2トップを基本線にするためにFWの枚数を増やしたんだろうけど、それなら功労者ミスタを残して、リーガで確実に計算できるタムードあたりをもっと安値で獲得して、余った金で展開型のCHか、アジャラの抜けそうなCBを補強すべきだったと思うけど。タバーノは良い選手だけど、スペインでのイタリア人はあまりに未知数。


ディ・バイオは昨季途中、6カ月の期限付きでバレンシアCFから移籍。しかし最近、バレンシアの退団が決まったため、完全移籍が実現することになった。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=441608.html

セリエAにいた頃はイタリア代表入りするほどだったのに、イタリア人監督に誑かされたのが運のつき。同じイタリア人のタバーノ獲得の余波で完全移籍と。スペインにフィットしなかっただけで、絶対能力は低くない。というか、あの頃のバレンシアのサッカー自体が最悪だったわけだから仕方ない部分もある。

ディバイオとタバーノじゃ、そこまでの差はないと思うけど。セリエAでのパフォーマンスなら当時のディバイオの方が上。ディバイオはかなりの高値で買ったから、バレンシアは大損したんでしょうね。これをラニエリ負債と名付けよう。総額は凄いだろうな。

FCインテル・ミラノは10日、ユベントススウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチを2480万ユーロ(約36億円)の移籍金で獲得した。契約は4年。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=443913.html


アドリアーノクレスポズラタン、クルス、レコバか。前線が無駄に豪華なインテルクオリティー。かつては

戦力的観点でズラタンの補強はかなり良いと思う。でも生来のトラブルメーカー振りがどう出るか。


ユベントスのフランス代表MFパトリック・ビエラが2日、950万ユーロ(13億8000万円)でFCインテル・ミラノへ移籍した。契約期間は4年。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=441333.html





UEFAチャンピオンズリーグに出場するベルダー・ブレーメンが8日、ドイツ代表DFペル・メルテザッカーハノーバー96から獲得した。移籍金は500万ユーロ(約7億3000万円)前後になっているほか、ブレーメンのCBフランク・ファーレンホルストハノーバーへ移ることになった。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=442975.html

将来性込みでかなり良い補強ですね。ただブレーメンのハイラインサッカーは、ライン裏をカバーできる快速CBがいれば面白いと思うんだけど。アトレチコペレアとか。

UEFAカップの連覇を狙うセビージャFCが、ASモナコFCウルグアイ代表FWエルネスト・チェバントンを5年契約で獲得することになった。移籍金は800万ユーロ(11億2000万円)と報じられている。
http://jp.uefa.com/competitions/UEFACup/news/Kind=1/newsId=441175.html?cid=rssfeed&att=index

マンチェスター・ユナイテッドFCのオランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイ(30)が28日、レアル・マドリーCFへ正式に移籍した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=440250.html?cid=rssfeed&att=index

移籍金1500万ユーロ(約22億円)らしいね。

獲得したマドリーにとってじゃ微妙な所だ。ニステル自身の得点力は計算だいひょうについてかくことがおおできるだろうけど、それがチームの機能性に還元されるかは別問題。ベッカムのクロスを活かされるだろうから、その点では良いと思う。でもカンテラ出身の有望FWソルダードを放出して、30歳のストライカーを獲得する。相変わらず長期的な展望はなさそうだ。ただそれがビッグクラブの宿命といえばそうだけど。

ロナウドとの相性は悪そうで、この2人が2トップ組むと、それぞれはそれなりに点を決めるかもしれないけど、チームとしての機能性は失われそう。二人ともゴール前で張って蓋になってしまう。どちらもベンチで納得するためではないし、ロナウドは売れるうちに売った方が良いのでは。

毎年恒例のアタッカー補強には駄目出ししたいところだけど、今オフはカンナバーロとエメルソンを獲得しているから、例年の移籍動向よりはかなりマシ。監督もカペッロなので、確固たる方針もありそうだ。ニステルを活かすも殺すも、カペッロのチーム作り次第でしょう。


放出したマンUにとって、ニステルは昨シーズン終盤にベンチが低位置となり、それが原因でファギーと確執も生まれたので、この移籍劇は既定路線ですな。
昨シーズンのマンUは、ニステルがスタメンの時より、ルーニーとサハの流動的な2トップにしてからの方がチームは機能していた。出場すればゴールを量産して、リーグ戦で21ゴール決めたニステル自身の出来は及第点だったけど、それがチームの機能性には還元されなかった。年齢的に上積み要素はないし、年齢的な売り時というのを考えれば、放出するという方針も理解できる。
ただサハとルーニー中心で1シーズン戦い抜けるとは思えないし、それでビッグイヤーやプレミア制覇が狙えるかも微妙。ニステルの代わりに、軸であるルーニーと相性の良い一流FWの補強は急務だし、しなかったとしたらこの放出は疑問。キャリックで補強費を使い果たとしたらアホですな。

それにしても、ニステルが5年間でリーグ戦とカップ戦を合わせて150得点を記録したのは凄い。去り際は美しくなかったけど、PSVから2800万ユーロ(約39億2000万円)で買って、チームの勝利にかなり貢献して、30歳になって22億で売れたなら、移籍自体は成功の部類でしょうね。こういう選手の後任は苦労するんじゃないの。



レアル・マドリーCFから放出されたU-21スペイン代表MFファンフランが、CAオサスナとの4年契約にサインした。
http://jp.uefa.com/competitions/UEFACup/news/Kind=1/newsId=450747.html

レアル・マドリーCFのFWロベルト・ソルダード(21)が、1年間の期限付きでCAオサスナへ移籍することになった。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=438869.html?cid=rssfeed&att=index

マドリーのカンテラは犠牲になる運命。ラウール・ガルシアの優先権獲得の為のレンタルらしいが。ビルバオジョレンテと並ぶ、スペイン期待の若手大型CF。代表でさらにトーレスを生かすためには、どちらかの成長が必要。若手有望株の多いオサスナで頑張って。

レアル・サラゴサが、バレンシアCFのアルゼンチン代表パブロ・アイマールを4年契約で獲得した。
サラゴサアイマールに1,100万ユーロ(約15億4,000万円)を支払ったと伝えられており、2006-07シーズンに向けた補強の中で、同選手を「クラブ史上最も重要な人材」と称賛している。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=440604.html?cid=rssfeed&att=footballeurope/index

キャリックが40億のご時世で、アイマールはたったの15億ですか。サラゴサからビジャレアルに移籍したカニと同額ですよ。往時に比べて市場価値は随分下がってしまった。
現代サッカーでは、トップ下しかできないテクニシャンは、トップレベルでは淘汰されて行く傾向にある。プレッシャーが最も激しいトップ下のポジションで輝けるのは一握りだし、そういう選手を中心にチームとして機能させるためには、他の選手は犠牲にならなくてはならない。その一握りの存在が、今回のWCでのフランス代表のジダン、アルゼンチン代表のリケルメ
今のアイマールは、それを許されるアンタッチャブルではないと評価されたんでしょう。これも時代の流れ。トップ下全盛時代にプレーしていれば、世界的スターになれたと思うけどね。


バレンシアはエースFWビジャの??にモリエンテスを獲得したし、リーガ屈指の若手サイドアタッカーに成長したシルバとガビランをレンタルバック。ビセンテがいて、さらにシモンやC・ロナウド?狙っている。恐らく2トップとサイドアタッカーを最大限生かす4-4-2にしてサイド攻撃に特化、トップ下のポジションは無くすんでしょう。そうなるとアイマールはいらない。でも攻撃が単調なサイド攻撃になった時、変化を付けるためには必要な存在と思うけど。


バレンシアサイドアタッカーの補強候補として、シモンが25億以上、ロナウドが35億以上で、どちらかを狙っている。これは費用対効果が悪いと思う。サイドアタッカービセンテを柱として、他はカンテラ出身の若手有望株であるガビランやシルバを育てた方が効率が良い。アイマール放出で2センターにするなら、CHのゲームコントロールがチームの鍵を握るだけに、年齢的に衰えかけているバラハの後釜を考えた方が良いね。ラウール・ガルシアとか。怪我から復帰するエドゥで間に合わせるのかな。

レアル・サラゴサが、VfLボルフスブルクからアンドレス・ダレッサンドロ(25)を獲得した。2006-07シーズンのレンタル移籍で、レンタル期間終了時に完全移籍契約を結べるオプションが付いている。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=430585.html

来シーズンのサラゴサは面白そうだ。アイマールダレッサンドロミリト兄弟、ポンシオと、何気にアルゼンチン化している。リーガ屈指のスピードスターのエベルトンがいて、サパテル、オスカル・ゴンザレスといった有望な若手スペイン人もいる。そして監督は、セルタやベティスでアタッキングサッカー旋風を起こしたビクトル・フェルナンデス。1トップがD・ミリト、?盤が左ダレサンドロ、トップ下アイマール、右エベルトン。嵌れば凄い破壊力。

昨シーズンは、エベルトンやサビオのスピード頼みのカウンターチームだったけど、アイマールダレッサンドロがいれば、ポゼッションからの華麗な崩しも期待出来る。機能すれば本当に面白そう。ただ、過剰に攻撃的なフェルナンデスのサッカーは、嵌らないと脆い。とりあえず楽しみですな。Jスポーツは早くリーガの放映権を取り戻してくださいよ。

今季のスペイン1部リーグで上位進出を狙うレアル・サラゴサが4日、期待の若手DFジェラール・ピケ(19)を期限付きでマンチェスター・ユナイテッドFCから獲得した。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=442303.html

スペインのクラブ・アトレティコ・デ・マドリーが27日、バレンシアCFのMFミスタ(27)を推定400万ユーロ(約5億8000万円)で獲得した。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=440031.html?cid=rssfeed&att=footballeurope/index

バレンシアはCFにモリエンテスを獲得したで、あおりを喰らったミスタは放出と。

今夏のアトレティコは、FWにセルヒ?·アグエロ、MFにコステ??ニャ、DFにゼ・カ??ロ、ペルニア、ユルカス・セイタリディスを獲得している。昨シーズンも大量補強したのに10位で終わって、どこからこの大金は出てくるのか不思議。そして監督はオサスナをCL圏内に導??旬のハビエル・アギーレ。要注目。でもアトレチコだから未知数。
トーレスアグエロの若手2トップは、欧州最高峰のポテンシャルを秘めている。メッシより若いアグエロは、今年のブレイク候補筆頭。ただどちらもポストプレーヤーと組んで、前を向いてプレーした方が生きるタイプなので、2トップとしての相性は気になる。でも前にスペースを得れば無敵。

この2トップに、左が快速ペトロフ、右がWCでも大活??マキシ、アンカーにコスチーニャ、CBが高さの??ロとサッカー界最速ペレア、右SBがセイタ??ィス、左SBがペルニ??。これで攻守にバランスの取れた一流のゲームメイカーが来れば、戦力的にはバルサとマドリーに次ぐ存在。この役割が昨シーズン欠けていた。アーセナルに獲得候補だったロシツキーを獲られなければ、かなりバランスの良いチームが出来ていたのに。

現状でも、チームとして噛み合えば、普通にCL圏内狙え??ビアンチでも代えられなかったチームを、どうアギーレが指揮するのか見物ですな。

バレンシアCFがスペイン代表の左SBアシエル・デル・オルノチェルシーFCから獲得した。移籍金は公表されていない。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=438781.html?cid=rssfeed&att=index

移籍金は750万ユーロ(約11億円)らしい。一年間で半額以下か。チェルシーきゃりっくがではあまり活躍できなかったけど、チェルシーだから見劣りしただけで、スペイン人の中では優れたSBだと思う。まだ年齢的に成長の余地もある。バレンシアからすればお買い得。左がデルオルノ、右がミゲルか。けっこう豪華ね。

元ドイツ代表の右SBアンドレアス・ヒンケル(24)がVfBシュツットガルトを退団し、UEFAカップ王者のセビージャFCと4年契約を結んだ。
ヒンケルは、FIFAワールドカップ本大会のメンバーに惜しくも選ばれなかった。シュツットガルトとの契約は1年残っていたが、セビージャが400万ユーロ(約5億4,000万円)を支払ったと伝えられている。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=432073.html

UEFAカップを制したスペインのセビージャFCが、デンマーク代表MFクリスティアン・ポウルセンをドイツ・ブンデスリーガFCシャルケ04から3年契約で獲得した。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=429392.html

UEFAチャンピオンズリーグの連覇を狙うFCバルセロナが、イタリア代表DFジャンルカ・ザンブロッタとフランス代表DFリリアン・テュラムユベントスから獲得した。移籍金の総額は約1,900万ユーロ(約26億6,000万円)と報じられている。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=438487.html?cid=rssfeed&att=index

レアル・マドリーCFユベントスからFIFAワールドカップを制したイタリア代表のCBファビオ・カンナバーロに加え、ブラジル代表のMFエメルソンを獲得した。
http://jp.uefa.com/ompetitions/UCL/news/Kind=1/newsId=438159.html

2人のために2000万ユーロ(約29億3000万円)






イタリア・セリエAACミランが28日、パルマFCのイタリア代表DFダニエレ・ボネラを2010年までの契約で獲得した。移籍金は未発表。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=440493.html

移籍金が分からないので何ともいえないけど、ビッグクラブではケチなミランが大金払ってるとは思えないので、DFラインの高齢化が顕著なミランにとって、CBとSBの出来るボネーラの補強は的確。

ミランで気になるのは、カカーがマドリーに行くのか、残留するのか。流石に出さないと思うけどね。


ASモナコFCが、FCソショー・モンベリアールのFWジェレミー・メネズ(19)と4年契約を結んだ。移籍金は350万ユーロ(約4億7,300万円)。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=431704.html

イタリア・セリエAACミランは22日、U-21フランス代表のMFヨアン・グルクフをスターデ・レンヌFCから獲得したと発表した。移籍金は公表されていない。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=431703.html


Aチーム
_____森本貴幸_石井謙伍____
眞行寺和彦_________関口訓充
____高萩洋次郎_高橋義希____
松下幸平_小林祐三_河本裕之_森脇良太
______中林______
Bチーム
_______萬代宏樹______
上里一将____桑原剛____菅沼実
_____小椋祥平_丹羽竜平____
尾上勇也_鎌田次郎_柳川雅樹_長谷川豊喜
______紀氏______
Cチーム
________田村祐基______
山城純也____村瀬和隆____後藤涼
_____鈴木智樹_中町公祐____
永里源気_渡辺広大_一柳夢吾_岩倉一弥
______桐畑______

Dチーム候補:藤田征也(札幌)、柳澤隼(柏)、岩倉(横浜FC)、坂井洋平横浜FC)、太田宏介横浜FC)、鶴見聡貴(湘南)、広庭輝(愛媛) 岩舘侑哉、塗師亮森谷佳祐






まずWCにおいて戦術・システムの最先端はもう生まれないということ。これは今大会に限った事ではなく、近年はずっとそう。98年のオランダの4-2-3-1が先鋭性を誇っていたくらいか。70年のブラジルや、74年のオランダのような衝撃はもう生まれない。CLが隆盛を誇る現在、かつてWCが持っていた「戦術の見本市」的な役割は失われた。クラブシーンを追いかける形で発展していく。


そして大会の傾向がどうであれ、それは日本にそのまま還元していく事にも無理がある。流行っている事が是なのではなく、そこにあるのは選手個々の特徴との親和性、相手との力関係といった相対性が大きく関っている。イタリアの優勝で、守備編重の大会とも評されているが、それは一面的な見方に過ぎず、日本も守備重視で戦えば勝利に近づくという事でもない。

今大会の状況*6でのメリット・デメリットの兼ね合いから、ハイラインを維持してのプレッシングより、守備ゾーンを下げたローラインが主流になったが、それを機能させる為には、個人としてゴール近くでハイボールを跳ね返す守備能力、コンパクトを維持してゾーン、低い攻撃始動位置からもゴールを狙える攻撃構築能力、そして何よりチームとしての共通意識が求められ*7、それがなければデメリットの方が大きく出てしまう。

システムもそう。4-2-3-1、4-3-3、4-3-1-2、3-5-2、完璧なシステムはない。

流行はあっても、それが一概に正しいとは言えない。現に欧州サッカー・シーンで主流となっている4-3-3はベスト4の中に1チームもなく、時代遅れとされている4-2-3-1が2チームと主流を占めた*8。1トップも2トップも優位・不利はない。ただルーニーの1トップにロングボールを放り込むのは明らかにデメリットが目立った。選手個々の特徴との適合性、チーム戦術との相性、相手との相性、様々な事象がポイントになってくる。

それに大会通して終始一貫したシステムで勝ちあがったチームはいなく、試合展開に応じて、または監督の采配によって、試合中のシステム変更をするチームが多かった。イタリアは4-3-1-2、4-3-2-1、4-4-1-1、4-2-3-1を使い分け、点が欲しい時はアタッカーを同時に4人並べたりもした。今大会躍進を遂げたオーストラリアも、相手や状況に応じてシステムを柔軟に変更し、それが功を奏した。

システムは基本配置・初期配置であり、試合の状況に応じて選手個々が動く事が重要。スコアや試合時間によって成すべき事は変わってくるし、相手の出方にもよる。初期配置が3バックだからとって、相手の1トップに対して常に最終ラインに3人余る必要はないし、3トップなら片方のWGが絞って守る事も重要。例えばメキシコのCBマルケスは、状況に応じたポジショニングのセンスが抜群だった。



大会の傾向

守備的な大会だったのか、そうでなかったのかについての論考。

下に書く事はあくまで総体論であり、個別に見ると微妙なズレがある。そしてある種異常なチーム状態だった日本は、その傾向から大きく外れた地点にいる。あとはチームの全体論で、個についての論評はあえて省いている。以上の点は無視して書いたもの。大まかな傾向というか印象。適当。他の細かなトレンドは、また別項でやる。


あと、組織優位、個人優位といった見解も無視した。これを別々にするのはナンセンス。上位進出チームに、組織力のないチームなどなかったし、個人能力のないチームもなかった。ブラジル、イングランド組織力・戦術的規律などが足りなかったが、一部の惨敗国のように組織力が全くなかったとは思えない。それよりも主力選手のコンディション、システムと人選配置の適合性が問題だった。ベスト8の中でウクライナは個力が足りなかったけど、これは組み合わせに恵まれた外的要因が大きい。そのウクライナにしても、ベスト8に比べると見劣るだけで、水準以上の個人能力は備えている。

  • 守備優位の大会?

総じて守備サッカー優位の大会、言い換えれば、ポゼッションよりカウンター、アクションよりリアクションサッカー優位の大会と評されている節がある。果たしてそうだろうか? 一部分では正しいと思うが、個人的にはグループリーグ、そしてトーナメントと、2面性のある大会だったと思う。


確かに、攻撃より守備に比重を置いたチームが上位に多く勝ち残ったのは事実。ただし、主体的な攻撃の出来ないチームの大半が、グループリーグで淘汰されている事実も見逃せない。グループリーグでは攻撃優位、その上で、守備面に比重が置かれたトーナメントでは、攻撃的なチームより守備的なチームが目立ったということだろう。大会全体では攻守にバランスの取れた柔軟性のあるチームが強かった。

イタリア大会に次いで少ない「2.29」という平均得点。守備力の高いチームのが増えたこと。地域間の実力格差が縮まった事。気候条件を意識した試合運びが目立った事。全体が守備的になった事だけがその理由ではない。


まずはグループリーグでの全体的な傾向から。

  • リアクション一辺倒の限界


グループリーグでは、総じてリアクション型チームの苦戦が目立った。個の能力不足で守備的なリアクションサッカーを採用せざるを得なかったチームは、健闘むなしく敗れ去っている。また、00年代初頭までは旋風を巻き起こす事の多かった、戦術的選択としてハイライン+プレッシングサッカーによるショートカウンターを標榜したチームも、後述する諸条件で力を発揮できなかった。


まず気候的問題で、プレッシングを持続し、速攻を繰り返す体力的な余裕がない。また、高い位置からのプレッシングの可否を握るライン設定は、オフサイドルールの適用基準改定、それを逆手に取る攻撃戦術の採用*9などにより、並みの完成度*10でハイラインを維持する事はデメリットの方が目立った。そのため、前線からのプレッシングを戦術の軸に据えた柔軟性のないショートカウンター型チームが、本来の戦術的特性を発揮するためには難しい状況にあった。


対する攻撃的なポゼッション型のチームは、人数をかけない攻めでのリスク管理、ボールを奪われた後のファーストプレスを徹底するなど、カウンターのケアには細心の注意を払っていた。ポゼッションは攻撃だけでなく、守備の局面でも有効利用*11


それにより、主体的な攻撃を苦手とするリアクション型のチームが、速攻のみでゴールチャンスを作る事は困難だった。チャンスを作れない事は、攻撃だけでなく守備にも悪影響。ショートカウンターが機能せず、守勢の時間が増えたチームは、中途半端な守備力では耐え切れない。


欧州予選で安定した成績を残したクロアチア*12セルビア・モンテネグロなど、リアクション色の強い堅守速攻型のチームは、良い所なく敗れ去っている。気候的条件がマイナスに働き、強みである中盤での強烈なプレッシング、そこからのショートカウンターは不発に終わった事が、攻守両面に大きく影響している。プレッシングの不備から守備が綻び、先制されてしまうと、主体性のなさから攻めあぐねる欠点も改めて露呈。欧州予選で見せた本来の姿は、最後まで見れず終いだった。


  • ライン設定の傾向と応用

諸条件*13により、前線からプレッシングが機能しないため、あるいは意図的に放棄したため、必然的に全体の守備ゾーンは下がる事になる。リトリートや、低い守備ゾーンでのプレッシングを有効活用した、比較的低いライン設定のチームが多く見られたのは、この事が大きく影響しているのだろう*14

ただし、低いライン設定を基本としたチームでも、勝ち上がるチームは、状況に応じてラインを押し上げてからの高い位置でのプレッシングも有効活用していた。ラインの上げ下げ、それによるプレッシングの位置や密度の変化、このような柔軟性を持つ事は、常勝チームにおいてもはや必須事項だろう。どちらか一つでは通用しない時代。それを可能とするためには、組織力、戦術的規律、個人能力・個人戦術・判断力、そしてなによりチームとしての共通意識が必要。

上述したライン設定の傾向に関連して、ミドルシュートの増加も今大会のトレンドの一つとして挙げられる。最大の要因である変化の生じやすいボールだけでなく、ローラインにおける構造的欠陥を狙う為*15に、選手のシュート意識の向上、ミドルシュートを主眼に置いた攻撃パターンの確立が多く見られた*16。これらがミドルシュートが一躍脚光を浴びた主要因だろう*17

また当然の事だが、個人スキルの進化も大きな要因の一つ。昨今の欧州CLを見ても、ミドルシュートの得意な選手は重宝されている。いくらミドルシュート有利の諸条件があったとしても、打てる選手のいないチームが有効活用する事はできない。現に日本は1本もゴールに結び付けられなかった。また、相手のミドルシュートを防ぐための戦術的対策、個人能力も足りなかった。ミドルシュートをめぐる攻防は、日本の大きな課題の一つだろう。

  • 攻撃構築能力の重要性

ライン設定や守備ゾーン位置などの諸条件により、高い位置でのボール奪取の回数は減り、必然的にボール奪取の位置はゴールから遠くなるので、ショートカウンターは機能しづらくなる。その状況において、低い位置から相手ゴール前にビルドアップする攻撃構築力を有していないチームは、なかなか相手ゴールに近付けない。カウンターをするにしても、攻撃構築力の有無はキーポイントの一つとなった。

低いラインを維持して、攻撃を機能させるため必要となったもの*18、これも大会のトレンドの一つだろう。チーム全体のビルドッップの戦術的工夫。傑出した司令塔を活用した組み立て。深い位置からでもボール奪取後はすぐに1トップに当てて、そこでのキープを起点にして後列が飛び出す組み立て。局面打開力に長けたサイドアタッカーに単独でボールを運ばせる。etc……。チーム別の具体例はまた別項で。


主体的な攻撃構築できないと、攻撃は深い位置からのカウンター一辺倒になったり、苦し紛れのロングボールが多くなってしまう。それだけでは精度が低く、攻撃でボールを失う頻度が増え、守備の負担は増大してしまう。さらに守備時間が増えるという悪循環。そのため自らチェンジオブペースできる事は重要。


相手にボールを保持されてしまうと、ボールを奪取する為に走り回る肉体的疲労や、守備に追われることによって生じる精神的疲労が増大し、これらがチームに与える悪影響は大きく、それに耐えて無失点で抑えられるチームは限られている。イタリアのような守備を苦にしないメンタリティー、個人・組織の守備力、戦術的工夫、自陣深い位置から相手ゴール前まで持ち込める攻撃構成力*19、カウンターでワンチャンスをモノに出来る決定力を有しているならともかく、一般論としてリアクションサッカーだけで守り勝つのは難しかった。


継続してきたポゼッションサッカーではなく、終始リアクション的なサッカーを志向し*20、リード後は過剰に守勢に回って終盤に息切れしたオーストラリア戦の日本も、これに当てはまる部分はあった*21


強豪チームではリアクション色の強かったイタリアは、リスク低減のため深い位置にラインを設定しても、そこからビルドアップしていける攻撃構築能力は有している。その鍵は司令塔のピルロお家芸のカウンターにしても、従来の前線頼みのロングボール主体ではなく、中盤でピルロトッティを経由して精度の高いダイレクトパスによるカウンターが目立っていた。そういう意味では、グループリーグレベルにおいて柔軟性を備えたチームといえよう。

  • ポゼッション優位のグループリーグ

上述した諸条件の中で行われたグループリーグは、ポゼッションも出来るチームのメリットは大きかった。現にポゼッションで上回ったチームが高い確率で勝利を収めている。ベスト16に残ったチームでは、グループリーグ・レベルにおいて、主体性を発揮できるチームが大半を占めた。元論、状況に応じたカウンターを使い分けられると尚良い。


ボールポゼッションで主導権を握って、状況に応じて攻める時間と守る時間を使い分け、試合のペースを意図的にコントロール。ピッチ上で、選手はボールを受ける必要十分な運動量のみでボールを走らせ、相手選手を無駄に多く走らせることにより、自チームの疲労を最小限に抑えて、相手チームを消耗させる。自発的なチェンジ・オブ・ペース。それを実現できるチームに、ある種の優位性がある事は間違いない。特にプレッシングの優位性が薄れる酷暑の気候的条件では。


守るにしても、先にリードできる得点力がないと、試合には勝てない。そしてリードして守り抜くにしても、カウンターによる脅威がなくては、相手に攻撃に専念されて守りきえうのは難しい。逃げ切る為に極端な守備的交代策をとったチームは追いつかれる傾向にあった*22


グループリーグだけ見れば、攻撃的な傾向は強く、主体的なポゼッションサッカー優位の大会だったといえる。現に予選で評価されたのは、アルゼンチン、スペインといった攻撃的なポゼッション型のチーム。




次はトーナメント。長くなったので切りますか。


守備的なリアクション型のチーム、著しく戦術的柔軟性を欠如したチームの大半が淘汰されて、勝ち残ったチームの大半は、一定以上の攻守のバランスや柔軟性を有したチーム。

それらのチームが、状況に応じて守備的なリアクションサッカーを多用してきた。そこではグループリーグ・レベルでは大きな問題にならなかった、相手をポゼッションで押し込んだ状態でもカウンターを防ぐ力、押し込まれても耐えぬく守備力、先に数少ないチャンスを物にする決定力などが問われることとなった。

そこで繰り広げられた、攻撃優位のグループリーグを勝ち抜いてきたチーム同士のトーナメントにおいて、始めて守備優位の流れが顕在化してきた。

みたいな流れかな。


  • トーナメントの定石

まず、トーナメントでは守備力のあるチームが勝ち残るのは定石。今大会だけでなく、94年のブラジル、98年のフランス、00フランス、04のギリシャ、攻守のバランスは違えど守備自体はしっかりしていた。この傾向はWC・EUROだけではなく、レベル的に最上位の欧州CLにしても同じ。近年で最も攻撃的でスペクタクルな大会となったEURO2000にしても、決勝に残った2チームは大会トップクラスの守備力があった*23。今大会に限った傾向ではない。

クラブチームに比べて時間的制約のある代表チームでは、組織構築においてまず守備に時間が割かれる。攻撃の組織的なメカニズム構築は二の次、守備に比べて個人の裁量によるところが大きい。バルセロナほどの攻守に相乗効果を及ぼすような戦術的柔軟性を持ったチームは一つも存在しなかった。これはクラブレベルに比べ様々な制約のある代表レベルにおいて、致し方ない事だろう。
これがビッグトーナメントでの前提条件。

  • トーナメントからの傾向

その前提があったトーナメント。一発勝負というリスクフルな状況、拮抗したレベル、同じ大会でもグループリーグとは別種類のカテゴリー。そこで繰り広げられた戦い*24において、始めて守備優位の流れが顕在化してきた。


グループリーグで顕著だったボールポゼッションと勝敗との相関関係がなくなり、むしろボールポゼッションで下回ったチームの勝率が高くなった。これはリアクション有利の構図というより、先にリードしたチームが守りを固めて、追いつこうと攻めたチームが守備を崩せなかったという展開上の理由もある。一度リードしたチームは、どうしてもリスクを低減して守りに入っていしまう。そしてそのときの守備力はグループリーグとは段違い。実力拮抗したトーナメントになると、その状況でスコアを動かす事は非常に難しい。


  • 相手を押し込んだ状態で敵のカウンターを防ぐ力

グループリーグで強さを誇ったポゼッション型のチームは、水準以上の守備力を有するチームと当たって始めて、その限界を露呈した。相手を押し込んで、ポゼッションで揺さぶるだけでは抉じ開けれない。ゴール前までボールを運べても、そこから相手の守備網を崩す事は出来ない。そうして押し込んでも攻めきれず、隙を突かれてカウンターを被った際に、それを防ぐ守備力が足りなかった。


相手のボール奪取力、プレッシングの位置と密度、カウンター時の攻撃構成力など、格下相手のグループリーグでは脅威にならなかった事が、トーナメントになるとまた違ってくる。攻撃型のチームといっても、トーナメントレベルの相手に簡単に失点しない守備力は必須。守備力は守備の局面だけではなく、攻撃の局面でも必要。攻守は表裏一体。様々な工夫でカウンターのリスクを減らしながら、攻撃面では相手を押し込んで攻める事が出来る。そんな柔軟性もまた、問われてくる。

ポゼッションで圧倒しながらも、カウンターで失点したスペイン。セットプレーで先制され、フランスの堅守を突き崩せなかったブラジルは、堅固な守備網を打ち破れなかったポゼッション型チームを象徴している。
グループリーグで3連勝したスペイン、ブラジルは、相手との実力差に助けられた側面が大きい。フランスという堅守を前にして、初めて柔軟性の欠如を露呈してしまった。
スペインはグループリーグでは完璧に近かった。オフサイドトラップを多用する守備戦術の欠陥を突かれて失点。そしてカウンター。




グループリーグでもう少し歯応えのある相手に苦しめられていれば、また結果は違ったかもしれない。そういえばイタリアもフランスも、グループリーグでそれなりに苦戦して、人選配置・システム的に、もしくは戦術的にある程度のマイナーチェンジを余儀なくされている。

オランダは、数的優位を生かしきれずに、ポルトガルの守備を崩せず完封負け。数的有利でイタリアを押し込んだオーストラリアは、堅守を崩しきる事が出来ず、カウンターからのPKに泣いた

  • 守備優位

ある程度は主体的に相手を押し込むことも出来る。押し込まれても、耐え抜く守備力があり、深い位置からのビルドアップや、精度の高いカウンターを繰り出す事も出来る。そしてセットプレー。それらを防ぐ事の出来ない守備力に欠けたチームは、トーナメントでは勝ちきれない。開催国のアドバンテージを活かして勝ちあがったドイツは異質の存在。

守備に自身があるから、あえてボールを持たして、休むという選択肢も生まれる。


大会は攻撃優位で始まり、最後は、互いに相手の攻撃力を打ち消す力を持ちながら、その部分でより相手を上回ったチームが勝ちあがった。その象徴的存在が、決勝に残ったイタリアとフランスの2チームだろう。グループリーグで淘汰された守備的チームとは違い、相手に主導権を握られても、肉体的にも精神的にも崩れることなく守り切り、深い攻撃始動位置からでもビルドアップを可能とする攻撃構築力も有している。

互いに比較的守備重視のチーム構成でありながら、守備不安のあるピルロジダンをチームの中心に据えているのが興味深い。それは前述したポゼッションによるメリット、低リスクで低いライン設定にした際に深い位置から攻撃を組み立てる重要性が分かっているからこそ。ここも象徴的なトレンドの一つだろう。




トーナメントではリアクション的に戦う事が多かったイタリアとフランス、けしてリアクション・カウンタ^一辺倒ではなく、ジダンピルロを中心に能動的に攻める手も有していた。優勝したイタリアは、数的不利となったオーストラリア戦、そして決勝のフランス戦終盤は守備重視の戦いを強いられたが、大会を通して守備一辺倒だったわけではない。

  • 柔軟性を持った上での+α

グループリーグを勝ち抜いた、最低限の攻守におけるバランス・戦術的柔軟性を備えたチームが、トーナメントでは定石である負けないサッカーを志向した。そしてその堅守を崩せる攻撃的チームは存在しなかった。そのため、最終的には守備優位の大会という印象が強くなった。


可能性としては、ブラジルとアルゼンチンにあったと思うが、ブラジルは魅惑の攻撃タレント陣が最後まで噛み合わず、アルゼンチンはらしくない消極的な守備固めの末にPK戦で敗れた。アルゼンチンの、リケルメの遅攻サッカーからメッシの速攻サッカーへの2段構え、ポゼッションで攻守に主導権を握るサッカーには可能性を感じたんだがね。


トーナメント以降に関しては守備優位と評して間違いない。ただグループリーグで、攻撃性のない守備的なチームは敗れ去っており、大会の傾向として守備的と1括りにするのは無理がある。


何にしても、選手の長所をチームスタイルに還元している所は結果を残している。大会の傾向に関係なく、日本は個々の特徴にあったスタイルを志向すべきだろう。ただ上位進出する為には、ポゼッション、カウンター、ハイライン、ローラインに拘らない、状況に応じた柔軟性は必須。その上で何か特化するものを持つこと。メキシコなんか特化すれば。やはり傑出したストライカーの存在になってしまうのかな




  • セットプレー

これは今大会というわけでなく、守備組織が、流れの中でそれを打ち破るのは中々難しい。そうなるとセットプレーで如何に得点を奪えるか、または失点しないか。当たり前のことで、あえて強調することでもないけれど、勝ちあがるチームはセットプレー攻守両面で優れていた。優れたキッカーの有無と、攻守両面で効果的な高さの二つでしょうね。


そして練習期間が限られる代表チームの問題。組織的に成熟させる時間がなく、気候の問題で運動量の面でももたない


  • ライン

オフサイドルールの適用基準の改定以降、ハイラインを維持し、オフサイドトラップを守備戦術の軸に据えるは大きなリスクが伴なう。

ラインを高く維持して、前線から積極的なプレスを軸に勝ち残ったチームは、ドイツくらい。そのドイツも2戦目以降は若干重心を下げて戦っていた。スペインとガーナは積極的なサッカーでベスト16入りを果たしたが、共にオフサイドトラップの構造的欠陥を突かれて失点を喫している。

前線からのプレッシャーにより高い位置でのボール奪取が出来ない。そうなると必然的に攻撃は、深い位置からの素早いカウンターアタック、そして低い位置から組み立てが必須。今大会はカウンターのケアに比重を置いたチームが多かったため、カウンターだけで得点を奪う事は困難だった。そうなると旧来のリアクション一辺倒のカウンター型チームは勝ち残れない。低い位置からもビルドアップを可能とするチームが優位に立つ。

例えばイタリア。相変わらず「カテナチオ」という紋切り型の評価が多いが、
ピルロという卓越した込んだいくターをチームの中心にすえ、ビルドアップ、中盤でのポゼッションを可能とする。守備のことだけを考えた旧来のカテナチオを志向するなら、ピルロの位置にはゼネッティやブラージが置かれたはず。

システム的傾向
4バックの主流は変わらず。中盤の構成は置いておいて、1トップの下に5人のMFを並べる布陣が主流を占めた。ベスト4のうち、イタリア、フランス、ポルトガルの3チームがこれに該当する。メカニズムは違うけれど、トッティジダン、デコとトップ下を置いているのも特徴の一つ。90年代後半から00年代初頭にかけて隆盛を誇ったトップ下を置く4-2-3-1は、現在の欧州サッカーシーンでは時代遅れのシステムとされている。ただ今大会のWCでは目立つシステムでも合った。これを見ても、クラブレベルでのトレンドと、代表レベルでの現実は必ずしも一致しない事がわかる。

そして4-5-1優位とは言えない。4-4-1-1のイタリア。ただこのシステムだけで大会を乗り切ったわけではない。4-3-1-2、4-3-3と様々なシステム。これはリッピの采配、そして選手の柔軟性。

システムが初期配置以上の意味はなさなくなったチームも多い。一つのシステムでは勝ち残れない時代なのかもしれない。
他に変則的なメカニズムを持っていたのはアルゼンチン。4-3-1-2というサイドを置かない初期配置ながら、攻撃時にはインサイドハーフのマキシは攻撃時にウインガー的な動きをし、左SBのソリンがウインガー然と振る舞った。変則的3-5-2。

  • 監督の采配


スタメン+α

11人では勝ち抜けない。
この点で最も可能性を秘めていたのはアルゼンチン。
スタートはリケルメ中心に、彼の特徴を最大限活かすためのチーム構成。そしてそれにあった遅攻主体のポゼッションサッカー。試合終盤で相手が疲れてきたら、メッシなど局面打開に優れた選手を投入し、チームのテンポ・リズムを変え、個人によるドリブルでの局面打開を中心に、速攻の割合を増やして攻める。選手層が厚いチームにとって、理想を追い求めて最初から全部の選手を使おうとするのではなく、チーム作りの時間的制約のある現実を見据えて、それぞれの選手を適切な状況に応じて使い分ける。このような二段構えの編成は面白いと思った。それを使い切らず守備固めをして敗れたドイツ戦。非常に残念だった。×ルマン見直しかけていたのになあ。


詳しくは各国ごとにまた後日。

サイド優位。
これはビルドアップの傾向、システム的傾向、とも関連つけられる。ただ突破すればいいというだけでなく、守備時には中盤に戻ってラインを形成する役割、ボールを引き出す役割、サイドに張るだけでなくトップをフォローする為に中に絞る役割、決勝に残った2チーム、ペロッタとかもねぎのイタリア、マルダとリベリーの、サイドアタッカーという名前からは連想されにくい役割を多岐に渡ってこなしたといえる。
より旧来のウインガー然としていたのはポルトガルとオランダだろう。ただしサイドに張ってのドリブル勝負という限定的な役割、中に抉る動き、ポジションチェンジする流動性も目立っていた。



特異なのはブラジル。サイドはSBの攻撃参加に任せて、密集した中へ中へ個人技とパスコンビネーションで抉じ開ける傾向が目立った。格下相手には機能したが、オーストラリアとクロアチアには苦しめられ、フランスを抉じ開ける事はできなかった。ただしこれはサイド軽視の罰だけでなく、各選手のコンディション不良に依るところも大きいだろう。

ミドルシュート
ボールの影響
ローライン主流における構造的欠陥。どうしてもバイタルエリアは空いてしまう。
ミドルシュートを主眼に置いた攻撃パターンの確立。典型的なのはイングランド。まずトップに当てて、底からのリターンをミドルという攻撃パターンがチームの約束事として実行されていた。ただ1トップにルーニーをコンバートした事、ランパードが不振だった事で、そこまでの効力を発揮したとは言い難い。トップ当ててから攻撃が始動するチェコ、サイドから組み立てて引っ張り出したら中も有効利用したドイツ、FWが力不足の為中盤の攻撃力を生かしたポルトガルも、ミドルシュートの組み立てを主眼においていたチームの一つだろう。
決勝進出した2チームはそれほど有効活用していない。ミドルシュートのグループリーグと言う印象で、大会通してはそこまででもなかったかな。

組織的にバイタルエリアをケアしきれないチームが多数を占めた。引いて守っても、バイタルエリアの守備の不備に依る欠陥が顕在化してしまった。これは日本にも当てはまる。逆に守備が個人でも組織的にも優れたチームは、ミドルシュートを決められる事は少なかった。現にゾーン封殺に成功したフランス、イタリアは、ミドルシュートでの失点がない。
クラブレベルではバイタルエリアを封殺する守備組織の洗練がなされる時間的余裕があるので、ミドルシュート優位の傾向は、クラブでも全く同じようにはならないだろう。あくまで代表レベルにおいてより顕著になる傾向だと思う。


役割分担。













イングランド

アーセナル
トマス・ロシツキー ←(ドルトムント/ドイツ)

これは良い補強ですね。キャンベルが移籍表明したので、CBも必要。カーティス・デイビス

ウエストハム
リー・ボウヤー ←(ニューカッスルイングランド

チェルシー
ミヒャエル・バラック ←(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
サロモン・カルー ←(フェイエノールト/オランダ)
ジョン・オビ・ミケル ←(リン/ノルウェー
アンドリー・シェフチェンコ ←(ミラン/イタリア)

反則級の補強。世界最高峰の選手2人に、世界最高峰のポテンシャルを有す若手2人。
ポルト時代の4-4-2変則ダイヤ型のシステムにするかもしれない。アンカーにマケレレコスチーニャ)、トップ下にバラック(デコ)、インサイドに万能型のランパードマニシェ)と攻撃的なJコール(アレニチェフ)。

エバートン
ティム・ハワード ←(マンチェスター・ユナイテッドイングランド

トッテナム
ディミタール・ベルバトフ ←(レバークーゼン/ドイツ)
ディディエ・ゾコラ ←(サンテティエンヌ/フランス)
良い補強。それにしてもスパーズはCH好きだね。片翼はレノンとして、もう一人サイドアタッカーをとっても良いかもしれない。

ポーツマス
グレン・ジョンソン ←(チェルシーイングランド

マンチェスター・シティ
ウスマーヌ・ダボ ←(ラツィオ/イタリア)

ミドルスブラ
ロベルト・フート ←(チェルシーイングランド

リバプール
クレイグ・ベラミー ←(ブラックバーンイングランド

これは良い補強。プレミア屈指の快速アタッカー。費用対効果を考えればオーウェンより良いかもしれない。怪我しなければリバプールFWの得点力不足を補填してくれるでしょう。後は得点力のあるポスト型のCFが一人必要だと思う。ヴィオラが降格するならトニが狙い目。クラウチの成長力に期待するのもひとつの手だけど。痛風キューウェルが離脱した左サイド、黒板のペデルセンがオススメ。うまくいけばプレミア屈指のサイドアタッカーになれると思うよ。既にC・ロナウドより実行力は上。
■スペイン

アトレティコ・マドリー
ギオルゴス・セイタリディス ←(ディナモ・モスクワ/ロシア)
コスティーニャ ←(ディナモ・モスクワ/ロシア)
セルヒオ・アグエロ ←(インデペンディエンテ/アルゼンチン)
マリアノ・ペルニア ←(ヘタフェ/スペイン)
ハビエル・アギーレ (監督)

最高の補強ですね。昨シーズンの不甲斐ない成績で、どこから移籍金を捻出したのか。トーレスアグエロの2トップは凄まじいポテンシャルを誇る。ただ2人とも前を向いて力を発揮するタイプのFW。トーレスと相性の悪いケジュマンを売って、潰れ役を一人獲得した方が良いかもしれない。後は司令塔的な選手かな。狙っていたロシツキーアーセナルに獲られてしまった。

サラゴサ
アンドレス・ダレッサンドロ ←(ポーツマスイングランド
ファンフラン ←(ベシクタシュ/トルコ)
ビクトル・フェルナンデス (監督)

<セビージャ>
クリスティアン・ポウルセン ←(シャルケ04/ドイツ)
アンドレアス・ヒンケル ←(シュツットガルト/ドイツ)

ダニエル・アウベスがいるのに、ヒンケルを補強。アウベスは放出なのかな。ところでジュビロと出稼ぎマッチをやるらしいけど、客は入るのか? サビオラくらいしか知名度のある選手はいない。

<セルタ>
アントニオ・グアイレ ←(ビジャレアル/スペイン)

バルセロナ
エイドゥル・グジョンセン ←(チェルシーイングランド

ラーションの穴埋めとして的確な補強。CHもこなせるのは強み。控えでも不平不満を言わないメンタリティー

バレンシア
フェルナンド・モリエンテス ←(リバプールイングランド

ビジャとの2トップ。アイマール放出の噂があるから、

ビジャレアル
ニハト・カフベジ ←(レアル・ソシエダ/スペイン)
ロベール・ピレス ←(アーセナルイングランド

CLマネーで強力補強ですね。

ベティス
ハビエル・イルレタ (監督)

これは楽しみだ。

マジョルカ
マキシ・ロペス ←(バルセロナ/スペイン)

デポルティボ
イバン・リキ ←(ヘタフェ/スペイン)

バレロン復帰までのトップ下要員。タイプが違うので復帰後も共存可能。
■イタリア

ユベントス
クリスティアーノ・ザネッティ ←(インテル/イタリア)
マルコ・マルキオンニ ←(パルマ/イタリア)

降格で主力大量放出が濃厚。大半はカペッロと共にマドリーに行くんだろう。

フィオレンティーナ
マリオ・サンターナ ←(パレルモ/イタリア)
マヌエレ・ブラージ ←(ユベントス/イタリア)

ミラン
クリスティアン・ブロッキ ←(フィオレンティーナ/イタリア)
ジュゼッペ・ファバッリ ←(インテル/イタリア)

ここも降格濃厚。カカーは大争奪戦だろう。

<ローマ>
マックス・トネット ←(サンプドリア/イタリア)


■ドイツ

シャルケ04>
ハリル・アルティントップ ←(カイザースラウテルン/ドイツ)

クラニーがイマイチなので、これは良い補強です。

ドルトムント
ネルソン・バルデス ←(ベルダー・ブレーメン/ドイツ)
アレクサンドル・フレイ ←(レンヌ/フランス)
スティーブン・ピーナール ←(アヤックス/オランダ)

アーセナルへ移籍したロシツキーの穴が痛すぎる。ただピーナール補強でダメージは最小限。ゲームコントロールは4年後のWCのスター候補ヌリ・サヒンがどこまで成長できるかに懸かっている。コラー移籍の穴はバルデスか。ここもタイプが違いすぎるので、チームは大きく変わりそう。

バイエルン
ルーカス・ポドルスキー ←(ケルン/ドイツ)
ダニエル・ファン・ビュイテン ←(ハンブルガーSV/ドイツ)

同一リーグのライバルから主力を強奪というバイエルンクオリティー。これでブンデスリーガのレベルはさらに低下していきますね。少しは他リーグから強奪すれば良いのに。とはいえ、補強そのものは的確ですよ。これでイスマエルがブレーメンに復帰すれば良いのに。

<ハンブルガーSV>
パオロ・ゲレーロ ←(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
バンサン・コンパニ ←(アンデルレヒト/ベルギー)

ブレーメン
ジエゴ ←(FCポルトポルトガル
ピエール・ウォメ ←(インテル/イタリア)

レバークーゼン
セルゲイ・バルバレス ←(ハンブルガーSV/ドイツ)

<フランクフルト>
高原直泰 ←(ハンブルガーSV/ドイツ)

ニュルンベルク
トマシュ・ガラセク ←(アヤックス/オランダ)
ソティリス・キルギアコス ←(レンジャーズ/スコットランド


■フランス

オセール
ジャン・フェルナンデス (監督)

ボルドー
ヨアン・ミクー ←(ベルダー・ブレーメン/ドイツ)

モナコ
ヤン・コラー ←(ドルトムント/ドイツ)
シルバン・モンソロー ←(リヨン/フランス)

<リヨン>
セバスティアン・スキラッチ ←(モナコ/フランス)
キム・カールストレム ←(レンヌ/フランス)
パリ・サンジェルマン
サミー・トラオレ ←(ニース/フランス)
ミカエル・ランドロー ←(ナント/フランス)


■オランダ

<PSV>
ロナルド・クーマン (監督)
アヤックス
ヘンク・テン・カーテ (監督)
ガブリ ←(バルセロナ/スペイン)
ヤープ・スタム ←(ミラン/イタリア)
ケネス・ペレス ←(AZ/オランダ)


ポルトガル

ベンフィカ
マヌエル・ルイ・コスタ ←(ミラン/イタリア)
フェルナンド・サントス (監督)


スコットランド

セルティック
イリ・ヤロシク ←(チェルシーイングランド
<レンジャーズ>
リオネル・レティジ ←(パリSG/フランス)
ポール・ルグエン (監督)



堅守を誇る相手に先制点を許し、引いて守られて崩しきれない。ポルトガルの典型的負けパターン。ポゼッションで押し込

*1:やはり4チームの実力が拮抗していないと「死」とは表せない。レバークーゼンデポルティボアーセナルユベントスが同居した01-02シーズンのグループBとかね。

*2:シェヴァ獲ったからクレスポ放出は仕方ないとして、この2人は勿体なさすぎ。カルーとかミケルとか超有望だけど、まだ即戦力としては物足りない。

*3:どこでもいいから放映権買ってよね。

*4:4-3-1-2の完成度が世界有数のブレーメンというのが良かったんだろうね。バウマン、フリンクス、ボウロウスキの3センターの庇護を受けられるトップ下。天才肌のテクニシャンにこれほど適したクラブはない。ミクーとの比較だと、よりトリッキーで個人打開に優れていて、連係が取れてくればかなり面白そう。

*5:結局ボルトンに移籍、代わりにアトレチコからケジュマン獲得。ケジュマンは弱者には滅法強いから、3強以外は格下のトルコリーグでは得点量産しそう。アレックスにアシストしてもらえるし。

*6:気候的条件、ルール、人的要因、戦術的要員など。詳しくは後述する。

*7:その共通意識がなかった日本で、中田の推進するハイライン+プレッシング中心の守備戦術、宮本の推進するローライン+リトリート中心の守備戦術、どちらが正しかったのか論じるのはナンセンス。チームとして確固たる共通意識、それに適合した守備戦術と個人能力がなければ、どちらを選択したとしてもうまく行かない。結局引いて守っていたけど、低い位置でのゾーン圧縮やプレスもなく、バイタル開け放題で見るに耐えなかった。

*8:とはいっても試合展開によって初期システムなど変わるのだけど。

*9:一列目の飛び出しをおとりに使った後列の飛び出し利用などね。これはフランスが多用し、ハイラインを維持するスペインとの試合でゴールに結びつけた。

*10:この部分は時間的制約のある代表チームでは難しい問題。

*11:リード後は無理に攻めず、守備のためのポゼッション維持により試合を消すなど。

*12:例えば日本戦は熱さでプレッシングが掛けられず、リトリート一辺倒の深い位置からのカウンター頼りになり、完全に持ち味を失っていた。草刈場となっていた日本に勝てなかったことは最大の誤算だろう。

*13:前述した、気候条件、リスクマネジメント、時間的制約のある代表チームにおける組織成熟度、オフサイド・ルール変更、それを逆手に取った攻撃戦術などにより、高い位置からのプレスよりも、低い位置に守備ゾーンを作る方が現実的だった。

*14:勿論、自チームの選手の特性、相手チームの個や戦術の特徴、スコアや試合状況、それらの兼ね合いに応じて応じてライン設定・プレス位置が変化するのは当然で、それのみが影響したわけでもない。

*15:ラインを下げれば、どうしてもバイタルエリアは空いてしまう。それを防ぐ為に、チームとしての共通意識、コンパクトを維持する戦術的工夫、低い位置でのゾーン守備とプレッシング、寄せの早いDFやセービングに長けたGKの存在が重要。これらを有していたチームは、ミドルで失点する事は少なかった。

*16:典型的なのはイングランド。まずトップに当てて、リターンをミドルという攻撃パターンがチームの約束事として確立されていた。ただ大会途中にルーニーを1トップにコンバートした人選配置の失敗、ミドルを得意とするランパードが不振だった事で、そこまでの効力を発揮したとは言い難い。同じくトップに当ててから攻撃が始動するチェコ。サイドから組み立てて、サイドの選手のカットインからのシュート多用、また横に引っ張り出して生じたスペースをボランチに有効利用させたドイツ。FWが能力不足の為、中盤の攻撃力、とりわけマニシェのミドルを生かしたポルトガル。これらの国も、ミドルシュートの組み立てを主眼においていたチームの代表例だろう。

*17:クラブレベルでは、ローラインでも、バイタルエリアを封殺する守備組織の洗練がなされる時間的余裕があるので、今大会のミドルシュート優位の傾向は、クラブでも全く同じようにはならないだろう。あくまで代表レベルにおいて、より顕著になる傾向だと思う。

*18:守備を機能させるために必要となったものも当然ある。低い位置でも守れる個人能力がベースで、ミドルシュート対策、コンパクトを維持してのゾーン圧縮、低い位置でのプレッシング、これらを機能させる組織力や戦術的規律の有無など。

*19:ピルロを軸に据えるまでのイタリアはこの部分が欠けていた。

*20:3バックだけでなく、両サイドのWBも引き気味に位置。リード後は極端に守備重視。相手を消しにいく比重が明らかに顕著だった。それが出来るチームではないのに。そういうサッカーやるなら、他に相応しい選手はいたはず。

*21:日本のポゼッションの生命線である、中田と俊輔を消しにきたオーストラリアの戦略的な巧さもあった。相手の良さを消しながら、自チームの体力的な消耗、カウンター乱発による消耗を避けるため、ある程度ポゼッションで全体を押し上げてから、自分達の強みであるロングボールで勝負した。ヒディングの戦略的部分が功を奏し、日本はそれに対処できなかった。そしてあの交代策が呼び水となって、止めを刺されてしまった。

*22:そのアンチテーゼとなったのが、例えば、格上スウェーデン戦で数的不利となったT・Tの選手交代、あからさまな守備固めをするのではなく、あえてアタッカーを一人増やすとによってカウンターの脅威を残し、それにより相手の攻撃参加の枚数・意識を分散させ、結果見事守りきった。日本のオーストラリア戦の交代策は、守りぬくとか攻め抜くとか以前の、チームにカオスを呼び込むようなもので論外。

*23:今大会と同じフランスとイタリア。フランスは今大会より攻撃的でバランスが良く、イタリアはより守備的だった。というか守備編重。

*24:攻撃優位のグループリーグを勝ち抜いてきたチーム同士の